プロが語るクラブハウス空間を快適にするコツ よくある「3つの悩み」への対処法から考える

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例えば、感謝の言葉。

「皆さん、今日は、◎◎のルームに来てくれてありがとう (ございます)」

また、10分から15分に1回は、「新しくルームに入ってきてくれた人たち、ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えるのもよいでしょう。

「ありがとう」は、言われた人も言った人も双方がハッピーになれるWIN-WINの言葉です。ぜひ意識的に使っていきましょう。

なお、お悩み3への直接的な対応については、

「皆さんにお話しいただきたいのですが、時間の都合などで、お呼びできない場合があります。その場合はごめんなさい(申し訳ございません)」

といったようにお伝えするとよいでしょう。

こうした気遣いが伝われば、モデレーターの人の「人間力」に好印象を持ち、ファンになる人も生まれるかもしれません。

ただし、参加者が数百人であるなど、人数が多くなれば、全員に気を配ることはなかなか難しい面も出てきます。そこは、リスナー側もぜひ、モデレーターの立場に立って、理解してあげる気持ちも大切になるかと思います。お互い様の気持ちです。

お互いの立場に立ち思いやりの優しさを持つのがマナー

以上、よくある3つのお悩みについて取り上げましたが、そのほかにも、言葉遣いを気にされる方も多くいらっしゃいます。実際、そこは意外に重要な点です。

例えば、どのくらいのくだけたしゃべり方にすべきか。

SNSを通じて親しくなるには、堅苦しいよりも、少し砕けた言い方のほうが親密になりやすいといわれます。

例えばモデレーターが、スピーカーのうちの誰かにマイクをオフにしてもらいたいとき。「○○さん、マイクをオフにしてください」というと、少しきつめに感じられてしまうかもしれません。

お願い、依頼でもありますので、ここはあえてくだけたやわらかい言い方にして、「マイクをオフにしてもらったほうがいいかもですねー」という感じでお声かけするのはどうでしょうか。きっと、その人に恥をかかせにくい言い方となり、場の空気が変わらずよいのでは、と感じます。

「ください」と言われると、とくに声だけのコミュニケーションの場合は、きつい印象に聞こえてしまいます。前者は、人前で注意をされた、というネガティブな気持ちになる可能性があります。

マナーは、お互いの立場に立って思いやりの優しさを表現するものです。それぞれがそれぞれのお立場で、心地よい空間を生み出していく、それがニューノーマル時代のマナーのあり方ではないかと考えています。

マナーとは、形や表面を整えるだけのものではないのです。お互いに心を開き合い、双方が、社会が、プラスになるコミュニケーションをとっていけたらいいですね。

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