遠隔操作で水道に毒「インフラテロ」の恐怖 現実になってきた「インフラテロ」の脅威

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ロシア送電網への一連の攻撃が示すように、アメリカは近年、ロシアへのサイバー攻撃を拡大してきている。核抑止理論として知られる「相互確証破壊」のデジタル版と専門家は位置づける。

アメリカのシステムに侵入しているのはロシアだけではない。2013年には、イランのハッカー集団にニューヨーク州の小さなダムの制御システムが乗っ取られた。当局は当初、これよりはるかに大規模なオレゴン州のアーサー・R・ボウマン・ダムに侵入されたと危機感を募らせた。このダムの水門がハッカーに開放されれば、大惨事となるところだった。

しかし捜査の結果、ハッカーに侵入されたのは、マンハッタンから北に50キロメートルほどの場所にある小規模なボウマン・アベニュー・ダムだったことがわかっている。

容疑者はいまだ特定できていない

今回のサイバー攻撃を受けてオールズマー市ではリモートアクセスを無効化した、とアル・ブレイスウェイト市政代行官は語った。「こういう日が来ると予想していた。こうした事態について私たちは話し合い、考え、研究を行っている」という。

保安官によれば、8日時点で容疑者は特定できておらず、外国からの攻撃だったのかどうかも明らかになっていない。FBI(連邦捜査局)と国土安全保障省シークレットサービスにも情報は共有された。

エリック・サイデル市長は、高濃度の水酸化ナトリウムが含まれた水道水はどの家庭の蛇口にも到達していないとしながらも、次のように語った。「警戒を怠らないことが大切だ。問題は現実に起きている」。

(執筆:Frances Robles記者、Nicole Perlroth記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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