投資家の強欲、慢心度合いが過去20年でMAXな訳 慢心度指標はネットバブル破裂以来の高水準に

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世界の投資家は過去20年間で最も恐れを知らず、恐らく最も強欲になっている。

バリュエーションとポジショニング、価格モメンタムに基づくJPモルガン・チェースのクロスアセット慢心度指標はインターネットバブル破裂時以来の高水準に近づいている。

この一獲千金の精神は今年、5万ドルに迫るビットコイン急騰、大麻株への熱狂、超低位株をめぐる投機の争いなどに既に表れている。世界の株式市場には年初来で7兆ドル(約737兆円)が流入、仮想通貨の時価総額は1兆4000億ドルに膨らみ、ハイイールド債の発行は記録を更新している。

金融と財政による大規模な支援が価格上昇を支える

こうした状況がさまざまな資産クラスのバリュエーションを持続不可能なものにしているとの懸念もあるが、投資家は金融と財政による大規模な支援がまだしばらくは価格上昇を支えると信じて資金を注ぎ込み続けている。

JPモルガンのストラテジストらも楽観にくみし、「一服」はあっても上昇相場の大幅な逆転はないとの見方だ。想定し得る主要なリスクは雇用とインフレが目標水準に戻った時点での米連邦準備制度による債券購入縮小(テーパリング)だが、それはまだ先になる公算が大きい。

ジョン・ノーマンド氏らストラテジストは12日のリポートで「ほとんどの市場でロングポジションを維持するよう顧客にアドバイスすることに不安はない。成長がトレンドを上回っている中で金融政策は超緩和的、財政政策は過熱状態だ。市場はニュートンの運動の法則、つまり別の力によって妨げられるまでは動き続けるという法則に従いがちだ」と指摘した。

原題:JPMorgan’s Barometer Says Markets Most Complacent in Two Decades(抜粋)

著者:Cecile Gutscher

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