N-ONE RS対アルトワークス、ターボMT車対決

手軽に走りが楽しめる軽自動車スポーツが熱い

実際、ホンダの開発者にN-ONE RSはS660と競合しないのか聞いてみたことがある。開発者によると、2モデルともスポーツモデルが好きなユーザーをターゲットとすることは認めつつ、「(荷室や後席がない)S660では荷物が積めませんが、N-ONE RSなら荷物を積んで長距離ドライブなども楽しめます」という。つまり、ワインディングやサーキットなどで、よりピュアな走りを求める層にはS660、普段使いからレジャーなども含めて楽しみたい層にはN-ONE RSといったセグメントをしているのだ。

さらに同開発者は、N-ONE RSのメインターゲットを「若いときにクルマで走りを楽しんでいた40代~50代」と言及した。このコメントからホンダでは、長年クルマを楽しみ、目も肥えているそれらターゲット層にN-ONE RSを訴求するには、ある程度価格が高くなっても、快適性や安全性も含めた装備の充実が必須だと判断したことがうかがえる。

ホンダN-ONEのインテリア(写真:ホンダ)
スズキ・アルトワークスのインテリア(写真:スズキ)

 

コスパならアルトワークス、快適性ならN-ONE RS

MT車は、軽自動車に限らず、若い頃からクルマに親しんでいる40代以上の高い年齢層が主なターゲットだといわれる。アルトワークスもその点は同じだろう。ただし、その比較的購入しやすい価格は、より若い年代層にも訴求でき、結果的にユーザー層の幅は広くなる。一方のN-ONEは、最初から「クルマ好き」の高い年齢層にユーザーを絞り込んだクルマ作りや価格設定だといえる。

ホンダの発表によれば、新型N-ONEの新車販売台数は、発売1か月後の2020年12月20日時点で、販売計画2000台/月に対し8000台を超えたという。しかも、その中でRSの割合は(Originalの34%に次いで)29%を占めたというから、発売滑り出しにおける受注状況はなかなか好調のようだ。

MT車は、大きな販売台数こそ狙えないだろうが、一定数のコアなユーザーへは確実に響くことだけは確かだ。N-ONE RSとアルトワークスも、そういった意味ではライバルには違いない。N-BOXなど軽スーパーハイトワゴン全盛の中、走りを楽しめる数少ない軽自動車だけに、筆者もひとりの「クルマ好き」として、両車が息の長いモデルとなることを願う。

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