グーグルと豪州の対立に世界が注目するワケ 報道機関へニュース使用料の支払いを求める
1日に50億回を超える語句入力検索の起点となり、広く利用されている検索エンジン、グーグルのない生活を想像してみる-。ニュースコンテンツ使用料の支払いを巡り、同社と対立するオーストラリアが直面しているのはこうした状況だ。
グーグルは検索サービス停止すると警告
豪州では報道機関へのニュース使用料の支払いをグーグルや米フェイスブックに義務付ける法案が議会に提出された。法案に反対するグーグルは修正を要求し、さもなければ検索サービスを閉鎖する可能性があると警告。豪州ではインターネット検索の95%がグーグル経由だ。
世界の広告市場で圧倒的な存在感を誇り、各規制当局の標的となっている米アルファベット傘下グーグルにとって、今回の対立による潜在的な余波は豪国内にとどまらない。同社が譲歩してニュース使用料の支払いを義務付ける法律が施行されれば、同じく関係がぎくしゃくし、グーグルの市場支配力を弱めたいカナダや欧州連合(EU)にとってのお手本になりかねない。
とはいえ、豪州で検索サービスを停止すればグーグルの後塵(こうじん)を拝するマイクロソフトの「Bing(ビング)」やダックダックゴーなどのライバルに市場を明け渡すことになる。開発に向けた絶好の場を突如提供し、世界の舞台で躍進するきっかけを与える可能性がある。
英語で「ベストビーチ・シドニー」と検索すると、グーグルと競争相手の精度の違いが分かる。ダックダックゴーの最初の検索結果は1000キロメートル以上離れたクイーンズランド州にあるホテルの広告だった。データ保護機能を売りにするサーチ・エンクリプトは「大きく一致するものはなさそうです」と表示。ビングはボンダイビーチの郵便局を示し、実際のビーチであるボンダイがまず表示されたのはグーグルだけだった。