「踊り子」の顔、ファンが愛した185系の名場面 国鉄末期に登場、2021年3月で定期列車から引退

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最初に登場し、「踊り子」に投入された185系の0番台は、何と言っても緑の斜めストライプ3本ラインが印象的だった。

黄色地に斜めの青ラインを配したオランダ国鉄の電車(筆者撮影)

斜めラインの車両といえば、「犬の鼻電車」といわれたオランダ国鉄の電車(Mat64)が1968年以降、黄色い車体にブルーの斜め3本帯の塗装に変更され、当時そのデザインは話題になった。「踊り子」が登場したとき、ある国鉄の車両関係者が、その影響を受けたことはあるだろう、と雑談の席で言っていたのを記憶している。

0番台に次いで登場したのは、シンプルに緑の横帯を入れた200番台で、特急形でありながら初運用は普通列車であった。

「リレー号」の思い出

200番台で記憶に残るのは、1982年6月23日の東北新幹線大宮―盛岡間暫定開業から1985年3月の新幹線上野開業までの間、上野―大宮間を結んで走った新幹線接続列車「新幹線リレー号」である。

筆者は東北新幹線開業始発列車を取材するため早朝の上野駅から接続する「リレー号」に乗ったが、一番列車を目指す鉄道ファンや旅行者でラッシュアワー並みの超満員の車内を体験した。新幹線に接続する電車としては容量不足、輸送力不足に大いに不満を持ったものだったが、その後、東北・上越新幹線の上野開業による1985年3月14日のダイヤ改正をもってリレー号は運転終了した。

リレー号の運転終了で余剰となった200番台は、「新特急」に投入された。新特急とは185系を使用して従来の急行を格上げした形の列車で、赤字だった国鉄の増収策の一環を担った特急の呼称である。従来の特急と比べ、指定席車より自由席のほうが多く、定期券で乗車可能、さらに50キロ以内の特急料金は急行料金と同額とするなどの違いがあった。

上野発の急行列車が新特急に格上げされ、高崎線系統では「新特急谷川」「新特急草津」「新特急あかぎ」、東北本線系統では「新特急なすの」の運行が開始された。また、1986年11月からは着席通勤を目的とした列車として、東海道線で「湘南ライナー」の運行が開始された。

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