JR東日本、巨額赤字でも積極投資を続けるわけ 2021年3月期の最終赤字は4500億円に落ち込む

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横須賀・総武快速線に投入されるE235系(記者撮影)

1月29日、JR東日本の2020年10~12月期決算が発表された。

主力の運輸事業はGo Toキャンペーンなどで11月に息を吹き返したかに思われた。しかし、12月に新型コロナウイルスの感染が再拡大。鉄道の利用者が激減し、鉄道を含む運輸事業の売上高(4~12月)は前年同期比46%減の8206億円に。同事業の営業利益は3312億円の赤字(前年同期は3168億円の黒字)まで落ち込んだ。

3000億円をかけて新線を整備

1月に緊急事態宣言が再発令されたことを踏まえ、2021年3月期の業績見通しも下方修正した。売上高は前期比39.8%減の1兆7730億円、営業損益は5350億円の赤字(前期実績は3808億円の黒字)に。最終損益は4500億円の赤字(前期実績は1984億円の黒字)に沈む。

鉄道業界全体が売り上げの急激な減少に悩んでおり、資金繰り対策として設備投資計画の見直しを余儀なくされた会社も少なくない。ただ、JR東日本はコロナ禍前と同様、設備投資を続けていく構えだ。

1月20日、JR東日本は羽田空港アクセス線の事業許可を国から得たと発表した。同線は、湾岸部にある東海道貨物線の東京貨物ターミナル付近から羽田空港国内線ターミナルまで約5キロメートルの新線を建設し、既存の路線と接続するなどして都心部と羽田空港を直結させる。東京駅方面と結ぶ「東山手ルート」、新宿駅方面と結ぶ「西山手ルート」、新木場駅方面の「臨海部ルート」の3ルートを整備する。

東洋経済プラスの連載「鉄道異変」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。同連載では以下の記事も配信しています。
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リニアとコロナ、JR東海を襲う「二重苦」
JR西日本、「不動産の強化」に動く必然
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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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