コロナ感染した芸能人が覆す軽症のミスリード 彼らは批判を承知でつらい体験談を語っている

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もう1人、別の角度から印象深いコメントをしていたのが、1月11日放送の「ZIP!」(日本テレビ系)に出演した風間俊介さん。

まずは「陽性がわかった時は頭が真っ白になるというか。でも僕の場合は声枯れのみで、あとは体調変化っていうのはそんなになかったです。37.1℃の発熱があったんですけど、多くの場所が37.5℃で制限をしているので、『むしろ声枯れをして(異変に気づけたので)よかったな』と思いました。でなければ気づけなかったかもしれないと思うので、本当に毎日の体調変化っていうのに気を配っていかないとって思います」と症状の一例としてコメント。

感染対策することが心の支えになる

さらに風間さんは、「『誰かにうつしてしまったのではないか』という不安がひたすら募りました。保健所から『濃厚接触者にあたる方はいない』と聞いて、普段から気をつけているソーシャル・ディスタンスとか、指の消毒とか、『今まで感染対策をどれだけやってきたか』ってことだけが自分の支えになりました」と経験者ならではの感情を語ったのです。

「誰かにうつさなかったことや、感染対策をしてきたことが感染したときの支えになった」という言葉は、「どのように感染したのか」という観点から話す人が多い中、新たな発見でした。芸能人も番組も、「いかに濃厚接触者を作らないか」という観点からの発信をもっと増やすことが求められているのかもしれません。

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また、昂生さんは、「年末年始とかほぼ全部救急で行ってたので、ほんまに対応していただいてありがたい。僕ら(芸人)は笑い話にできるけど、大変やでこれは。こんな症状の人が2000人以上出たら、保健所の人は大変やで」と最前線で働く人々をねぎらっていました。このような「最前線で働く人々へのねぎらいや感謝」も芸能人たちが番組で語りはじめた理由のひとつでしょう。

実際、今回の出演でも「スタジオやロケでマスクしないことの多い芸能人は感染して当然」「自業自得のくせに出しゃばって話さないでほしい」などの批判が挙がっているように、番組に出て語ることのリスクは少なくありません。彼らがそれを承知で発言しているのは、やはり「感染したからには語るしかない」「1人でも少なく、1日でも早く収束してほしい」という使命感と願いによるところが大きいのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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