急展開、台湾新幹線「国際入札」打ち切りの裏側 日本の価格は高すぎて、欧州・中国製を導入?
川重は中国に対し、単独でJR東日本のE2系をベースに3編成を完成品として納入。ライセンス契約も取得した中国は6編成分を部品として輸入した後、ノックダウンで完成させ、中国国内で51編成を製造。2005年から2015年までの間に60編成を中国にもたらした。葛西氏の懸念するように中国と川重は運行速度などでもめごとはあったものの、同時に中国はシーメンス、ボンバルディアなど世界的な車両メーカーからも車両と技術を導入。中国は日欧から導入した車両、技術を種子として独自に開発を進め、浙江省温州で重大事故はあったものの今では営業距離で3万kmを超える高速鉄道網を築き上げてしまった。
高鉄は1月20日の役員会で今後は新たな車両調達先に第三国を挙げたが、欧州連合を念頭に置いてのことであることは間違いない。上下分離が解消されれば日本式の新幹線よりもぴったりと身の丈に合ったトンネルや橋梁などを欧州規格の車両が走り抜けていくかもしれないし、日欧からの種子をもとに独自に発展を遂げた中国製車両が海峡を越えてやってくる可能性も完全に排除することはできない。
菅首相も官房長官時代に答弁
「ご指摘の案件は民間企業ベースの問題ではありますが、日台の企業間に置いて適切に交渉が進んでいくことを期待しております。(中略)今後も台湾高速鉄道が台湾の経済、社会および日台関係、その更なる発展に引き続き寄与することができるように期待してまいりたいと、こういうふうに思います」
昨年8月5日、当時官房長官だった菅義偉首相は会見で高鉄入札不調の情報を入手した記者の質問にこう答えた。そのときには宰相の座を虎視眈々と狙っていたのだろう。施政方針演説で言及した政治の師匠、梶山静六が上部逆転受注のためにどれだけの汗をかいたのか、その記憶は頭の中には皆無だろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら