時短で儲かる店も出現「1日6万円」協力金の是非 足並みをそろえない飲食店経営者たちの本音

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首都圏に緊急事態宣言が出た翌日の1月9日の夕方、新宿三丁目や新宿ゴールデン街、歌舞伎町など飲食店が多いエリアを歩いた。普段は夜から営業している店が開店時間を早めて、昼や夕方から開けているのが目立った。

土曜日ということもあってか、多くの店には7割ほど客が入っていた。閉店時間を早めるなら、その分早く開店することは、飲食店が事業である以上、自然だろう。そして開けていれば、混み合う場合もある。

密の防止という観点だけなら、20時閉店の効果は限定的でしかないのでは、と感じた。

ほかがやっていないから「開けたもん勝ち」

少し時間を置き、20時過ぎに再び歌舞伎町へ向かう。いつもは明るい街並みが暗い。多くの飲食店が時短要請に応じ、20時で閉店していた。ただ、開いているお店もポツポツあり、そのほとんどは客でいっぱいだった。

キャッチに話を聞くと、「ほかがやっていないから、開ければ人が来るに決まってる。開けたもん勝ちだと思いますよ」とのことだった。そして、「そこなんか、看板の電気を消して営業してますよ」とある店舗を指さした。昨日は閉めていたが今日は開けている、というふうに、様子を見ながら判断している店舗もあるそうだ。

20時以降も開けているのは、普段明け方まで営業しているお店が多かった。20時以降が本番なのだから、閉めると死活問題だろう。そこそこ有名なチェーン店も営業していた。政府の要請よりも、生き残るための決断をしたことがうかがえる。

新宿にて(1月9日、筆者撮影)

一方で、普段は朝までやっているのに、完全休業している店もあった。シャッターには「難しく考えるのをやめました。ボス(小池さん)の言うとおりにすることに決めました(怒ると多分、怖いので)」と貼り紙があった。20時閉店、完全休業、時短要請を無視して営業……どの決断にも、そうしなければいけない理由や葛藤が見て取れた。

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