「ロス再封鎖」に感じる前回とは違う異様な空気 高級住宅街でデモ、公園に増えるテントの数…

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レストランの営業禁止令を出したロサンゼルス郡の役人の家の前で抗議する人々(写真:筆者撮影)

2020年の3月に続き、クリスマスを前に控えた12月6日夜中に2度目のロックダウンをしたカリフォルニア州ロサンゼルス。ロックダウンからそろそろ1カ月を迎えようとしているが、今回のロックダウンは昨年3月の「みんなで自粛」というムードからは一変し、多くの人が怒りやいら立ちを募らせている。

閑静な住宅街で毎晩「デモ」

「シーラ、家の中に隠れてないで、出てこい!」
 「偽善者!レストランに営業許可を出せ。ファシズム行政か」

クリスマス前の師走、カリフォルニア州サンタモニカ市の閑静な住宅街の一角にある白い色の一軒家に向かって、20人ほどの人々が路上でそう叫んでいた。「Enough is Enough(もう我慢の限界だ)」と書かれたプラカードを持つ人もいる。多くの人がマスクを着用せず、大声で叫んでいる。その目の前にはパトカーと十数人の警官が待機し、警戒態勢を取っていた。

「自分はここの住民だけど、毎日このデモ騒ぎだよ。マスクをつけずに叫んでる彼らを何とか取り締まれないの?」と通行人の一人が警察官に聞くと、マスクをした男性警官がこう答えた。

「今のところは様子見だ。彼らが通行人に危害を加えないかぎり、取り締まることはしない。何しろ、この件は今、全米ニュースとして国中から注目されちゃってるんでね」

全米から注目されてしまっている――。サンタモニカ警官がそう形容したこの騒動の発端は、レストランに営業停止命令を下したロサンゼルス郡の役人本人が、お気に入りのレストランで「最後の晩餐」をしていた光景が目撃されたことに端を発している。

感謝祭の祝日直前の11月24日。ロザンゼルス郡政府のスーパーバイザーを務めるシーラ・キュール氏は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で「テイクアウトやドライブスルー以外のレストランの店内および店外営業をすべて禁止する」という決議に賛成票を投じた。

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