「ロス再封鎖」に感じる前回とは違う異様な空気 高級住宅街でデモ、公園に増えるテントの数…
ニューサム州知事は「日頃自分が市民に要望していることと、異なることを自分がしてしまった」と謝罪したが、州民の怒りはなかなか収まらなかった。
そんな中、ロサンゼルス市内にあるセレクトショップ「キットソン」が「2020年の偽善者たち」と題する店頭ディスプレーを展開して話題になった。早速店に行ってみると、赤いサンタクロース帽を被ったギャビン・ニューサム州知事の写真パネルが大きく飾られていた。
写真の上には『フレンチ・ランドリーの店でもっといい席に案内しろって要望したよ。22人の友人たちと室内で会食したいからね』というせりふが書かれている。州知事の顔写真の横には「ニューサムを罷免しろ」と書かれた黄色いサインが展示されている。
さらにロサンゼルス市長のエリック・ガーセッティ氏の写真もパネルになっていた。
市長が札束を握っているパロディ写真の横には「私に逆らうと痛い目にあうぞ。ターゲットやコストコ、ウォルマートは生活必需品以外の商品も売っていいが、小さな店はダメだ」というせりふが書き込んである。
「リベラル中のリベラル」が民主党知事を批判
地元の政治家を実名入りで、ここまで激しく非難した店頭ディスプレーはほぼ前代未聞だ。キットソンの店は、かつてパリス・ヒルトンなどのいわゆる「セレブ」の御用達として有名になった店である。ハリウッド女優たちが店にTシャツなどを買い物にくる光景を撮ろうとパパラッチが店の入り口に郡がっていた過去があり、ロサンゼルスでは「リベラル中のリベラル」として知られ、ポップカルチャー中心の商品を扱っている。
その店が、あえて名指しで民主党の政治家を非難する行動に出た。ガラス張りの店頭一面に貼られた大きなディスプレーを写真に撮っていると、店から出てきた男性が「どこの新聞社?」と話しかけてきた。
フレイザー・ロス氏。キットソンのオーナーだ。「このディスプレーはあなたのアイデアですか?」と聞くとロス氏は「イエス」と答えた。「リベラルな客層で知られるあなたの店がこういうディスプレーをするということは……」と聞くと、ロス氏は「政治家の偽善にもう耐えられないから」と言った。
カナダ国民であるロス氏は、地元ロサンゼルスのテレビ局のインタビューで「私は共和党支持でも民主党支持でもない」と断言している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら