王者「N-BOX」初の大幅改良で何か変わったか 商品力は強化されたが「1つだけ」残念な点も

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N-BOXではブラウンの2トーンルーフと同色の「スチールホイール+ハーフキャップ」が組み合わされ、インテリアは、加飾パネルがダークタン、シートがダークタン×ブラウンのトリコット仕様に。

「前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム〈前席/後席対応〉」と、リヤ右側パワースライドドアがつくのもポイントだ。

N-BOX コーディネートスタイル(写真:ホンダ)

N-BOXカスタムのコーディネートスタイルは、エクステリアのメッキパーツがダーククロームメッキに。アルミホイールは「ブラック+切削」となる。

2トーンボディカラーは、ミッドナイトブルービーム・メタリックにはシルバールーフが、プラチナホワイト・パールとプレミアムクリスタルレッド・メタリックにはブラックのルーフが組み合わされる。

N-BOXカスタム コーディネートスタイル(写真:ホンダ)

インテリアはブラックの内装にマルチボルドーの塗装加飾とフル合皮シートをホンダの軽自動車として初採用するなど、高級感が追求されている。リヤ右側パワースライドドアが追加されるのは、N-BOXコーディネートスタイルと同様だ。なお、カスタムにはサイド/カーテンエアバッグは通常モデルで標準装備されている。

新N-BOXでたった1つだけ残念なこと

全タイプに標準装備された安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」は、後方誤発進抑制機能に用いるソナーセンサーを4個へ増やすことで、後方の障害物の接近を検知してドライバーに注意を促す、パーキングセンサーシステムを追加。駐車時などでの安心感が高められたが、1つだけ残念なことがある。

昨年、フルモデルチェンジを行った「N-WGN」や、外観を変えずにシャシーを刷新するユニークなモデルチェンジを実施した「N-ONE」には電動パーキングブレーキが搭載されており、N-BOXへの採用が期待されていたが、パーキングブレーキは従来通りの足踏み式のままなのだ。

N-ONEに採用された電動パーキングブレーキ(写真:ホンダ)

そのためACC(アダプティブクルーズコントロール)の全車速対応も見送られ、下限速度は従来と変わらず約30km/h未満では作動しない。

一方で、ライバルとなるダイハツ「タント」やスズキ「スペーシア」はACCの全車速対応をうたっており、運転支援機能に関しては一歩進んだ印象だ。この決断が“スーパーハイトワゴンの絶対王者”というポジションにどう影響するのか。これをユーザーがどのように判断するかが、N-BOXの明暗をわけるポイントとなるだろう。

先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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