「速すぎる箱根駅伝」厚底靴、本質すぎる5大貢献 「靴の性能だけじゃない!」何を変えたのか

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どのメーカーもそうですが、本来なら、一人ひとりのアスリートに寄り添ってオーダーメイドのようにシューズをつくりたいのが本音と思います。

でも、大企業になるほど、それを実現することは不可能に近い。どのスポーツメーカーも、そこを理想としながらも、「ビジネス」として成立させていくだけの大量生産を両立させられないジレンマを抱えています。

「テクノロジー」で乗り越えたメーカーのジレンマ

しかし、ナイキは「テクノロジー」を用いて、そのジレンマを見事に解消しました。

国内のメーカーは、日本国内の選手がメインのため、データも限られますが、グローバルブランドであるナイキには世界中にトップアスリートの顧客がいて、彼らにシューズを渡し、フィードバックをもらうことができます。「アスリートたちは、足のどの部分を接地させ、どのように走ったか」というデータをもとに、ソール形状をデザインしていくのです。

先述したキプチョゲ選手をはじめとした「トップアスリート」だけでなく、「速い人」「遅い人」「かかとから接地する人」「つま先から接地する人」「欧米人」「アジア人」「アフリカ人」まで世界中のいろんな走り方の選手のデータを集められます。

薄底がメインだった時代は、「厚底はブレるし、重いからダメだ」としか考えられていないなかで、「厚底シューズづくり」に果敢に挑戦できたのは、なぜなのか。

「データからはじき出された理想の走り方」を可能にするのは、なるべく前傾姿勢にして、平地だけど坂道を下っているように走れるような角度。そして、レース終盤でも足に疲れが残らない十分なクッション性をもたせた厚くて軽いソールというインサイトをもっていたのが大きいと思います。

ナイキは、「ビッグデータをもとに『集合知』で理想のシューズをつくる」という方法を確立したのです。

次ページ新「シューズ戦国時代」の幕開けか
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