「速すぎる箱根駅伝」厚底靴、本質すぎる5大貢献 「靴の性能だけじゃない!」何を変えたのか
社会情勢も「シューズ選び」に少なからず影響を及ぼしています。
本来ならば「さあ、各社どういうラインナップで、ナイキに対抗する?」と展開したいところですが、残念ながら昨年に増して「ナイキを履く選手だらけ」になるはずです。
メーカーから提供をうける一部の学校や選手は別ですが、この不況下においては、メーカーからも潤沢にシューズ提供は望めない。そうなると選手たちも自分でシューズを買わざるをえないのです。
そうなると、みんなナイキを選ぶ。その理由は「安いから」。
Eコマースを使って2020年中ずっとセール
外出自粛期間から直営店の営業をすべてストップしたナイキは、自社のEコマースに一気に力を注ぎます。直営店だけでなく、あらゆる小売店舗での販売が見込めなくなったタイミングで彼らが打った手は自社Eコマースでの35%値引き。つまり、小売店舗への卸値に近い金額で旧作の「ヴェイパーフライネクスト%」や、トレーニングシューズなどを販売したのです。
旧作といっても、色が違うくらいで機能はまったく同じですから、「あのヴェイパーが安く買える!」とみんなが飛びつきました。あまりの安さに、私も2足買いました。この35%引きセールが何度も何度も行われた。つまり、ナイキはEコマースを使って2020年はずっとセールをし続けていたのです。
もともと小売りで卸しても利益が出る構造ですから、ナイキの9~11月の販売実績は前年同期比9%増の1兆1540億円。なかでもEコマースは84%伸びたというのですから驚きです。
ナイキは他のメーカーと比べても、断トツに「厚底シューズのレパートリー」が揃っています。「ジョギング」から「クロスカントリー」「ロード」そして「レース」と、一貫したコンセプトで設計されたシューズが揃っているから、あらゆるトレーニングシーンに対応できます。
それが35%引きで手に入りやすくなったうえに、選手たちも、感染リスクのある街中で買うよりも通販で買うほうが、サイズ在庫も豊富でいいに決まっているわけですから、それは、そちらを選びますよね。
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