来年税金を減らすため2020年内にすべき10の事 確定申告の前にやっておけばいいことだらけ

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4つ目は、国民年金保険料の未納分などがあれば、年内に支払っておくことです。

自営業者やフリーランスは国民年金に加入しています。手続きの遅れや収入ダウンなどで未納になっている分はありませんか?

 収入の減少や失業などで国民年金保険料を納めることができず、「保険料免除制度」や「納付猶予制度」の適用を受けた場合は、後から保険料を納める追納ができます。そうした手続きを行わないまま未納になっている場合は、過去2年以内の未納分を支払うことができます。

いずれも支払った年の社会保険料控除に組み入れることができます。未納があると受け取る年金も少なくなりますから、可能であれば支払いを検討しましょう(未納分の一部でも支払うことができます)。

また国民年金には月額400円の付加保険料を払うと年金額が上乗せされる「付加年金」という制度があります。最大で過去2年分(9600円)の保険料を納めることができ、これを納めれば、社会保険料控除の額が増え、税金が安くなります(国民年金基金に加入している人は付加年金が利用できない)。

仮に、国民年金保険料20万円を支払って社会保険料控除を受けると、税率20%の人なら約4万円、税金が安くなります。保険料の実質的負担は約16万円になるわけです。いずれも年内に納めた分が対象ですから、年内に検討、納付を済ませましょう。

子供の代わりに国民年金保険料を納める

また、国民年金保険料について、「子供の保険料を親が納める」と税金が安くなります。5つ目の節税術です。

20歳になると国民年金に加入します(会社員などで厚生年金に加入している人を除く)。学生などは「学生納付特例制度」もありますが、年金の受取額を多くするためにも、保険料を納めるのが理想的です。親が子に代わって納付した場合は、納付した全額を「社会保険料控除」として所得から差し引くことができます。特例を受けた期間も、10年以内であればさかのぼって納付することができます。

6つ目として、小規模企業共済の前納なども検討してみましょう。自営業やフリーランスの人で、国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)、小規模企業共済に加入している人は、掛け金が全額、所得から控除され、税金が安くなります。小規模企業共済は前納制度もあり、1年分まで、納付した年の所得から差し引くことができます。

コロナ禍で収入が減った人も多いですが、例年より所得が多かった人、来年は所得が減りそうだという人は、今年中に来年の分を前納することを検討してみるといいでしょう。仮に50万円を前納し、所得税率が20%なら、10万円、所得税が軽減されます。

国民年金基金は4月から翌年3月までの1年分の前納、あるいは翌年3月までの分を一括納付することができます。いずれも手続きに一定の期間を要しますので、年内の納付が可能かを確認してください。

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