アラサー夫婦「結婚はつくづく幸せ」と感じる訳 "なんかいい"の繰り返しほど幸せなことはない
結婚って、夫との暮らしって、“なんかいい”のだ。わたしは、夫との結婚生活で、理由を上手に説明できない、言語化するのは野暮に感じるような、「結婚って、なんかいい」をずっと繰り返している。
わたしは、夫のことが好きで好きでたまらなくて結婚した。夫も、きっと同じだろう。世間体だとか、そのほうがなにかと都合がいいとか、嫌なことを避けるためにとか、そういう、損得勘定を抜きに出した結果だ。
わたしたちは、ただ気が合って、相手のことが好きだから。なんだか上手く言えないけれど、この人といると幸せだから。その考えがお互いに合致したから、結婚と言う制度にただ乗っかっただけ。それ以上でも、それ以下でもない。
ただ、普通に、居心地がいい
すべての価値観が合うなんて夢物語だし、わたしと夫は別の人間だという認識もある。喜びも、かなしみも、楽しさも、怒りも、ときめきも、諦めも、感情を共有しようとはハナから思っていない。
ただ、普通に、居心地がいい。普通の基準が、居心地がいいと感じる基準が、限りなく近いことに幸せを感じている。
新婚旅行でスペインを訪れたときのこと。心を奪われるセビーリャの陶器。テレビで観て一度は行きたいと思っていたサグラダ・ファミリア。 情熱的なフラメンコ。胃袋も心も満たされる美食の街、サンセバスチャン。シエスタで海を訪れる人々。美しい街並み。歴史的な建造物。湿り気のない風。美しいチョコレート。かわいい雑貨や洋服。
目に映るものすべてを吸収しようと、連日連夜、体力が続く限り歩き回り、スペインを大いに満喫した。
10日間の滞在中は天候に恵まれ、トラブルに遭遇することもなかったのだが、最終日の朝だけ、突然バケツをひっくり返したような土砂降りに見舞われた。旅の締め括りに、と楽しみにしていたガウディのカサ・バトリョ。この雨では、さすがに厳しい。
仕方なく、飛行機の時間までホテル近くのカフェで時間を潰すことにした。悔しい気持ちを抱えたまま、サクサクのパン・オ・ショコラを頬張り、熱いエスプレッソを啜る。
窓の外を眺めると、大粒の雨の向こうに、軒先で雨宿りしている人が見えた。旅行中、ずっと垂れ流しだったアドレナリンが雨に洗い流されたのか、ふっと体の力が抜けるのを感じた。
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