生活苦で「愛猫の餓死を考えた」飼い主の危うさ 「2匹はそのまま死なすしかないと思っていた」

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1. 身寄りや頼れる人がいなかった

Aさんは1人暮らしで、身寄りがなかった。もともと人付き合いが苦手で、友人・知人も少なく、猫のことで頼れる人がいなかった。猫を飼っていることを知っているのは、介護支援相談員だけであった。

2. 貯蓄がなかった

入院当初はペットシッターを雇っていたものの、貯金もわずかで、自分の入院費用も必要であったため、依頼を続けることができなくなった。介護支援相談員が問い合わせてくれた施設や猫ホームに預けるにもある程度の費用が必要とわかり、金銭的に余裕がないため、それもできなかった。

3. 万が一のことを考えていなかった

自分に何かあったときに、タロウ君とジロウ君をどうするかをまったく考えていなかった。当然、預け先などは決めていなかったため、飼い主がいない家に2匹は取り残されることになった。

4. ペットに関する情報を得ていなかった

インターネットやSNSを利用していないので、ペットに関する情報に乏しく、「ペットシッターを雇えない」「施設や猫ホームに預けられない」ということであれば、もう何もできないと考えた。また、介護支援相談員もペットについて詳しくなかったので、なかなか解決策が見いだせなかった。

5. 自宅である集合住宅はペット可ではなかった

住民たちの中では「暗黙の了解」とはいえ、ペット不可の物件であるため、猫を飼っていることは大っぴらに言えなかった。そのため、介護支援相談員も大っぴらには動けなかった。また、完全室内飼育の猫であるがゆえに、近隣住民も猫を飼っていることに気が付かなかった。

6. 自分の状況に絶望してしまった

自分が動けない体になってしまい、何もできないといういら立ちと絶望があった。

タロウ君とジロウ君が助かった理由

これらの事情がすべて重なり、Aさんは「そのまま、ほっといてくれ」と介護支援相談員のサポートを拒絶するようになってしまいました。

しかしながら、そこで引き下がることなく、Aさんの説得とサポートを続けてくれた介護支援相談員のおかげで、タロウ君とジロウ君は命をつなぐことができました。

退院後、少しずつ元気になり筆者の足に甘えてくるタロウ君(写真:筆者撮影)

保護するまでに長い期間がかかりましたが、飼い主以外の誰かが、猫の存在を知っていたことが功を奏したのです。

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