サッポロ、「極ZERO」販売終了の波紋 酒税116億円を追加で支払う可能性も
「極ZERO」は昨年6月の発売から今年4月までに累計2億本(350ミリリットル換算)を売り上げた。これに上乗せ分の酒税49円を掛けると約100億円。5月までの製造分を勘案すると、サッポロHDの試算では追加で116億円の酒税支払いが必要になる可能性がある。同社の2014年12月期の最終利益見通しは50億円であり、追加支払い分を特別損失に計上すれば、利益はたちまち吹き飛ぶ。
6月4日の会見でサッポロビールの尾賀真城社長は、「『極ZERO』は現行の税率区分(発泡酒にスピリッツを加えたもの)に該当するものと認識している。ただ、今後の検証の結果、該当しないと判明した場合、多くのお客様やお取引様にご迷惑をおかけすることになるため、自主的に終売を決定した」と説明した。
会見では、自主検証のポイントや、具体的に何が問題なのかについて、繰り返し質問が出た。しかしながら、「原料となる発泡酒の製造方法で、国税当局から照会を受けている。それ以上は製品開発上の営業秘密のため説明できない」(時松浩取締役)と言うばかりだった。
販売計画は変更せず
13年12月期、サッポロビールの総販売数量5200万ケース(大瓶換算)のうち、「極ZERO」は昨年6月の発売から7カ月で360万ケースを売り上げた。今期の計画は550万ケースで、2月には中味とパッケージをリニューアルしたばかり。「黒ラベル」、「ヱビス」、第3のビール「麦とホップ」に続く第4の柱として育成を図っていたところだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら