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渋谷と横浜を結ぶ東急東横線の、ちょうど真ん中あたりに武蔵小杉がある。
武蔵小杉は、言わずと知れたタワーマンション街だ。2000年代以降、駅前の再開発が進み、2010年にはJR横須賀線の武蔵小杉駅も開業。「住みたい街」の上位にランキングされるなど、脚光を浴びるようになった。
再開発により劇的に変わった武蔵小杉の今と昔
ここがタワーマンション街となったのは、バブル崩壊後の1990年代後半、駅周辺にあった工場の移転が相次いだことに端を発する。地元川崎市が、市内を通る鉄道の中でもとくにイメージのよい東横線沿線であることに着目し、このエリアを住宅街にしようと積極的に再開発とまちづくりを進めたのだ。
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意外なことに武蔵小杉のタワマン街化には、あまり東急電鉄は関わっていない。東急が関連しているタワーマンションは東横線駅と直結するエクラスタワーのみ。マンションの低層部には商業施設である東急スクエア、川崎市の中原図書館も入居している。この、駅と直結する絶好の敷地は、以前は変電所だったという。
東急武蔵小杉駅は、東横線と目黒線の駅。隣接してJR南武線の駅があり、2010年に開業したJR横須賀線の武蔵小杉駅は、この東急と南武線の駅から、なんと10分弱東に歩いた地点にある。
つまり、ここには武蔵小杉駅と名乗る3つの駅があり、訪ねてみるとよくわかるのだが、それぞれの駅前エリアは、まるで同じ駅名の街とは思えないほど異なる個性を持っている。その中で、東急東横線の武蔵小杉駅前とはどんな所なのだろうか。
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東急武蔵小杉駅で降り、改札に向かうと、そのコンコースの広大さに驚く。ほかの東横線駅では見たことのない規模。2008年の目黒線延伸の複々線化や、東急スクエア開業、2018年の南改札開設などで徐々にリニューアルされたものだそうだが、相次ぐタワーマンション建設で人口が増え、これくらいでないと追いつかないということか。
高架下にある駅からは、線路の東側と西側両方に出られるようになっているのだが、東側に出ると、そこには多くの人が思い描いている「武蔵小杉のタワーマンション街」像が広がっている。
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