アマゾンを破壊する「ショッピファイ」の超威力 5年後の世界を変える10兆円ベンチャー

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最近の動向では、世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、売上高も同じく世界一の企業、ウォルマートと連携しました。ちなみにウォルマートの売上高は約56兆円でほとんどがまだリアル店舗の売り上げです。今回の提携は、ウォルマート側が主導したと私は見ています。アマゾンへの対抗策です。

そして今後も、ウォルマートとの連携と同じような動きが起こるでしょう。そしてさらに成長は加速していくはずです。現在10兆円の時価総額がどこまで増えるのか、注目しています。

ショッピファイのような中小企業のインターネットサービスを支援するビジネスは、日本でも広まっています。ショッピファイと同じように、サービスの質で人気を博しているのが、BASE(ベイス)です。

ベイスもショッピファイと同じように、日本のデパートと連携。ショッピファイと同じく新型コロナウイルスの影響が追い風となり、時価総額は3000億円を突破しました。2025年にどこまで成長しているか、ショッピファイとあわせて楽しみです。

ショッピファイの日本への進出も注目しています。ウォルマートは西友の親会社ですから、そのコネクションを使って日本に進出してくる可能性は十分に考えられるからです。そして注目すべきは、西友の現在のeコマースシステムは、楽天が担っている点です。

2025年には西友のeコマースだけでなく、日本国内におけるeコマース事業をショッピファイがリードしている。その可能性は、今の勢いからすれば十分ありえます。

b8ta(ベータ)にも注目

ほかにも、ビジネスの大転換を行っているベンチャーを紹介します。b8ta(ベータ)です。従来の小売事業は店舗を借りて在庫を仕入れて、マージンをいくらか上乗せして販売する。このようなビジネスモデルでした。

ところがeコマースが広まったことで、実店舗で商品を購入する人は激減しました。その結果、実店舗では商品の手触りや動作を確認。そのうえで、ネットで商品を買う人が増えました。つまりこのままでは、実店舗はこれまでほどは必要とされなくなっていきます。

そこでベータは、あるユニークな発想をします。eコマースでは、最終的にネットショップで商品を購入しますが、そこにたどり着くまでに検索をしたり、ほかのサイトやユーチューブ、フェイスブックといったコンテンツに貼られた広告からの誘導で行くことが少なくありません。そして誘導した広告主は、その分のフィーを得ています。

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