東電の「検針票ペーパーレス化」はユーザー不在

12月から紙配布終了、Webサイトは不親切

東京電力グループが進めている検針票のペーパーレス化に対し、さまざまな批判が集まっている(写真:記者撮影)。

東京電力グループの小売子会社「東京電力エナジーパートナー」が進めている検針票(電気ご使用量のお知らせ)のペーパーレス化が、自社の都合を優先した問題含みの展開になっている。

東電は10月から、契約件数の多い「従量電灯B」など規制料金プラン(電力自由化前から存在する一般的な料金プラン)の契約者宅の郵便受けに「重要なご案内」と題したチラシを検針票と一緒に投函している。

だが、見落とした場合、12月以降、知らぬ間に紙の検針票が届かなくなる事態になる。ペーパーレス化のやり方が不親切だとしてツイッターでも多くの書き込みがあるほか、地方自治体の相談窓口にも「数は多くないものの、検針票ペーパーレス化に伴う苦情や相談が来ている」(東京都消費生活総合センターの担当者)。

記者自身も、今回の東電の対応に当惑した一人だ。手前みそだが、読者の注意を喚起するために、あえて個人的な経験を記しておきたい。

12月から紙配布終了の「重要なご案内」

11月中旬、わが家の郵便受けに、検針票と一緒に東電からのチラシが投函されていた。「電気ご使用量のお知らせ(検針票)に関する重要なご案内」と題したチラシの趣旨は、12月分より紙の検針票配布を終了するので、電気の使用量や電気料金については、今後Webで確認してほしいというものだった。そのうえで、「パソコン、スマートフォンをご使用されないなど、引き続き、紙の検針票をご希望のお客さまは、裏面の専用ダイヤルにご連絡ください」と書かれていた。

わが家では、家計の節約や環境負荷低減の観点から、電気の使用量についてはそれなりに関心を持っている。猛暑が続いた9月にはエアコンの使用が多く、前年同月と比べて電気代が跳ね上がったこともあり、使い方を改めるように筆者自身が家族から注意を受けた。そうしたこともあり、検針票のチェックは欠かせないものとなっている。

しかし、今回の東電のやり方には納得できない点が多々あると感じた。第一に、何を目的として紙の検針票配布を終了するのかについて、「重要なお知らせ」には一言も書かれていない。その後、東電に取材した際、「年間に1億枚超も配布している紙の検針票をやめることで、環境負荷を減らしたい」との説明を受けたが、チラシにはその文言が何もない。その代わりに次のような記述があるだけだった。

「スマートメーターの全世帯への設置がまもなく完了し、お客さま宅にお伺いせずにご使用量の確定が可能になったことや、多くのお客さまがパソコンやスマートフォンを日常的に使用されている状況をふまえ………」

これでは東電の事情や社会の一般的な状況を述べているのに過ぎない。

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