スクープ!「スキー連盟クーデター騒ぎ」の真相

選任否決された皆川賢太郎・競技本部長が独白

いずれは国の補助金依存体質から脱却を掲げ、自主財源など自立した団体を目指すべきだという私個人の理想はあるものの、今、国からの補助金がなくなるとスキー連盟にとって死活問題になる。補助金を絶やさないためにも民主的かつ資本主義なガバナンス改革が必要不可欠なのではと思いながら理事会で議論を聞いていました。

皆川氏は「補助金を絶やさないためにはガバナンス改革が必要不可欠」と話す(写真:今井康一)

国は競技団体の運営指針「スポーツ団体ガバナンスコード」を策定しています。

それには「組織の役員及び評議員の構成等における多様性の確保を図ること」「評議員会を置く NF (中央競技団体)においては、外部評議員及び女性評議員の目標割合を設定するとともに、その達成に向けた具体的方策を講じること」とある。

ガバナンスの観点から評議員数は今のままでいいのか、外部有識者に入ってもらう必要性はないか、女性比率が低くないか、といったことを議論しましょうと評議員会に投げてきたのが真相なのに、いつのまにか「北野会長は評議員の定数を削減しようとしている」という話だけが一人歩きし、評議員に誤報が届き、その論調が報道されるようになってしまいました。

そもそも評議員の定数をわれわれ理事が決める権限はない。基本的には評議員が自ら決めることなのです。

お金が潤沢にあった時代とは異なる

――マーケティング戦略やIT・デジタル化、ガバナンス改革。どれも先進的な取り組みだとは思いますが、ものごとの進め方が「独断的」「強権的」という声も出ています。

改革を進めるときには、必ず誰かが針路を指し示すフラッグを立てなければなりません。ジリ貧の組織を立て直すために、私は競技本部改革や強化の仕組みに関し逆風下でフラッグを立て、指揮をとってきたつもりです。

お金が潤沢にあった時代を知る方々の中には、私が進めてきた改革について「自分たちとはやり方が違う」「昔は良かった」と受け取る方がおられるかもしれません。ですが、時代は大きく変化しています。

私が現役だった長野五輪以降、強化環境や選手待遇は年を追うごとに悪化し、疲弊していきました。その経験から引退後はスキー連盟内部に入り、選手たちや業界に貢献したいと志を持ってきました。スキー連盟がこれからの時代を生き抜くための組織改革は必要不可欠であり、その信念を持って進めてきました。

――地方の加盟団体、地域連盟の中には「地方の声が反映されない」「地方が切り捨てられている」といった声もあがっています。

そういう声があることも重々承知しています。地方の加盟団体の方々が一番求めているのはクラブチームのある地方、地域の活性化。大会やイベント、合宿地になればヒト、モノ、カネが動きますから、そういうことをやって地方を活性化させてほしいというのが加盟団体の長年の願いでした。

北野体制で歩んだ道は、まさに(スキー場など)冬季産業の再建と強化育成の立て直しです。そのためにまず中央団体の内情や現実を把握し、施策の優先順位を決めました。最優先したのが、先ほどのマーケティングも含めた日本代表の強化環境の整備、加盟団体を含む教育や育成などです。

その流れの中で、私は2017年から選手の強化・育成・普及を進める競技本部を担当しています。先ほど申し上げたように種目数は年々増え、かつ特殊化しています。競技が特殊化するにつれて地方のスキー場、施設では使用許可を出しにくくなっている現実もあるのです。

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