スクープ!「スキー連盟クーデター騒ぎ」の真相

選任否決された皆川賢太郎・競技本部長が独白

このままでは財政的にもたないということで、一時はオリンピック種目すらコスト削減の対象になりかけた。「この種目とあの種目の強化を止めれば数千万円浮く」といったやりとりが真面目に交わされていたんです。

弱った財政基盤のシワ寄せは選手たちにいきました。日本代表に選ばれるような選手であっても強化合宿の参加費は自己負担してもらっていたのです。このことは、世界で戦えるスキー選手を育成しなければならないスキー連盟として、とても恥ずかしいことでした。

4年前、企業経営の手腕を持つ北野さんが会長に就任し、若手の私が理事(当時は総務本部に所属)に入ったのは、そんなスキー連盟を立て直すことをミッションとして選ばれたと感じていました。底が見えない、手の打ちようがない状況の中で、私たちは「スキー連盟再建」のための改革に着手したのです。

「マーケティング広報員会」を立ち上げた

――どうやって立て直しを?

最初に「マーケティング広報委員会」を立ち上げました。マーケティング戦略として「SNOW JAPAN」という名称を打ち立て、ロゴを発表し、スキー連盟として初めてメインビジュアルを製作しました。選手たちの肖像権を確立してSNOW JAPANをブランディングし、協賛を集めやすい仕組みを作ったのです。狙い通り、協賛会社は集まり始めました。

皆川氏はスポンサーを集めるためにマーケティングに力を注いだ(筆者撮影)

集まったお金は、選手の強化費に充てるだけでなく、次の資金獲得のための投資にも回しました。選手たちの地位向上とコンテンツ作りです。

例えば、選手たちの記者会見もその一つと捉え、コンサートを一緒に開きました。ユーミン(松任谷由実)さんやゴスペラーズさんは私たちの活動に賛同し、「日本代表のために」と力を貸してくださいました。

そして毎年シーズン後には、特定種目の著名選手だけではなく、全種目平等に世界8位以内入賞選手を表彰する「SNOW AWARD」を開催し、競技本部約300名の選手や強化スタッフ、協賛会社やマテリアル(用品)メーカー各社など、日本代表を取り巻く応援団のみなさんが集える場を提供しました。業界が一枚岩となって悪化する情勢を乗り切るのが狙いでした。

こうした努力が実り、スポンサー企業は着実に増えました。4年前から支えてくださっていたSUBARUさんとバスクリンさんの2社に加え、新たにエイブル&パートナーズさん、日本管財センターさん、竹村コーポレーションさん、ANAさん、興和(バンテリン)さん、KOSEさん、八海山醸造さん、爽健グローバルさんが加わってくださった。

スポンサー協賛金は1億1900万円(2016~2017年)から3億1300万円(2018~2019年)へと大幅に増額したのです。

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