サッカー日本代表が「つまらない」と評される訳 攻撃の「看板スター」不在だけではない事情
自身の発言が「2ちゃんねる」や「Yahoo!ニュース」のコメント欄で批判的な書き込みをされたとしても、大勢に影響はなかった。しかし、昨今は何が誹謗中傷のきっかけになるかわからない。リスク回避のためには慎重にならざるをえないのだろう。
キャラクターや発言は地味でも、ピッチ上で尖った個性や圧倒的な存在感を発揮してくれれば問題ないが、2020年4試合の戦いぶりを見ているとやはり物足りなさは否めない。それも容易ではない。
ベテラン勢が若い選手をサポート
ただ、今の代表にポテンシャルがないわけではまったくない。22歳にしてキャプテン・吉田に匹敵する備えた大型DF冨安健洋(イタリア1部・ボローニャ)を筆頭に、右サイドの快足アタッカー・伊東純也(ベルギー1部・ゲンク)、今季ドイツ・ブンデスリーガ1部で7試合・116回というリーグトップのデュエル勝利数を誇る遠藤航(シュツットガルト)、同じくドイツで活躍中の鎌田大地(フランクフルト)など光るタレントは少なくないのだ。
その遠藤航は「僕らボランチは注目されにくい存在。少しでも注目されたくて、パナマ戦から代表カラーの青のマウスピースを着用し始めました」と発言。知名度アップへの意識を前面に押し出した。こういう自覚を持つ選手がもっともっと増えてくれれば、彼らのピッチ内外での一挙手一投足も変化し、代表人気も回復に向かっていくだろう。
吉田らベテラン勢も若い世代のよさを引き出すためのサポートに力を入れている。「若くて代表経験のない選手には、僕が何かを伝えるというよりは、彼らに感じてほしいです。僕たち経験のある選手たちがやらなきゃいけないことは、伝えることよりも、感じ取れる雰囲気をチームの中に作り出すこと」とキャプテンは強調していた。
W杯3大会連続出場のチーム最年長GK川島も「僕が教えたり、引っ張ったりするよりは、若い選手が引っ張っていくって意識でいるほうがチームは確実に伸びていく。僕は横から支えられるくらいの気持ちでいいんじゃないのかな」と、今どきのアプローチ法を口にする。
彼らのような気配りのできる先輩たちの援護射撃を受けて、久保ら若手にはもっともっと伸び伸びと自分らしさを出してほしいものだ。
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