大人女子が「100均のコスメ」を買いまくる必然 安かろう、悪かろうのイメージから脱却図る

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100円ショップコスメの人気はダイソーだけではない。同じく100円ショップのセリアでも、その需要の高まりを感じているという。同社の商品部の担当バイヤーである田海氏は「お客様の『トレンドをプチプライスで試したい』というニーズに応えられる商品企画を行っている」と語る。

そのため世界のトレンドアイテムが参考となるケースが多く「水で膨らむ3Dパフ」や「涙袋用アイシャドウ」などをいち早く商品化したという。

また最近ではネイル製品に注力している。特に新型コロナ禍のステイホームでネイルサロンに通うことができず、自宅で楽しむ機会が増えたことで消費者の関心も高まっているようだ。

「韓国で流行している『貼るジェルネイルシール』は、爪に貼るだけで複雑なデザインネイルが楽しめる人気商品の1つ。また街のネイルサロンで施術すれば数千円かかるジェルネイルも『筆付きのポリッシュタイプで使いやすい』と好評の声をいただく。定番カラーからトレンドカラー、ラメ入りカラーなどラインナップも豊富に販売している」(田海氏)。

ネイルをするなら「セリア」を目指す

またジェルネイルにはパーツやスティックなどの用具も必需品で、そういった製品もメーカーと共同開発を行っており、「『ネイルをするならセリア』を目指している」という。

これらの人気も、やはりSNSが火付け役だ。「SNSの話題により、同じ商品を探しに来店されるお客様もいらっしゃる。とくに100円ショップにはテスターなどのサンプルがないので、使用感のイメージを確認するツールのひとつにもなっているようだ」(田海氏)。

低価格コスメへの支出は今後も増えるかもしれない。アットコスメが10月に行った化粧品とライフスタイルに関する調査によると、新型コロナの影響により、メイクへの支出が「とても減った」または「減った」と答えた人は全回答の53.7%にも上った。

一方でメイクへの関心が減ったと答えた人よりも、関心が増えたと答える人のほうが多いという調査結果も示されている。消費者はSNSを通じた情報収集でより賢い買い物を行っているが、これからは低価格の商品が受け入れられるようになることで、化粧品全体の価格競争も激化するかもしれない。100均ショップのコスメも、より他社との差別化が必要になってくるだろう。

臼井 杏奈 美容業界ライター

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うすい あんな / Anna Usui

青山学院大卒後、産経新聞社に入社しスポーツ記者に。その後INFASパブリケーションズに入社し、WWDJAPANを経てWWD BEAUTYに所属。美容業界記者として外資系ブランド担当およびビューティーテック、アジア市場、スタートアップ、新興市場などを担当。現在はフリーランスとして活動。

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