『論点思考』を書いた内田和成氏(早稲田大学大学院商学研究科・ビジネススクール教授)に聞く--視点、視座、視野を変え、問題の設定力を養う

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--視野というのは。

人間はとかく一定方向で見がちだ。それに慣れ親しんでいるので確かに効率はいい。しかし、これだけでは大きい変化が起きたときに見落とす可能性が高い。ボールでも前からくれば取るかよけることがかなりの確率でできる。だが、後ろから来たボールは避けられない。できるだけいろいろな方向からモノを見ていないと思わぬ変化や、さらに将来起きそうな変化がわからない。

会社で言えば、営業の人は営業のモノの見方だけではなく、お客の立場、生産や開発の人の立場、物流の人、さらにはコールセンターの人とか、いろいろな立場になってみて、自分を取り巻く視野を360度にするといい。

--視点を身につけるのは一朝一夕ではいかない……。

視点は目のつけ所のような話なので、やってみないとわからないところがある。たとえば、私はアナロジー(類似事例)が大好き。人によっては時間軸を切り口にするのが得意な人もいる。消費者目線で見るのに長けた人もいるかもしれない。それぞれスタイルがあっていい。自分の好きな複数の切り口を持つことが大事だ。

--右脳を使えとも勧めていますね。

具体的にどうやるのか。もちろん左脳も大事だが、右脳が使える。日常生活で、当たりをつけたり、「筋の善し悪し」で見極めたりしている。日常生活で研ぎ澄まされているカンや経験を仕事にもっと生かしたら、仕事の論点設定はスムーズにうまくいくのではないか。

(聞き手:塚田紀史 =週刊東洋経済)

うちだ・かずなり
1951年生まれ。東京大学工学部卒業。慶應義塾大学経営学修士。日本航空を経て、ボストンコンサルティンググループ入社。2000年6月から04年12月まで同日本代表、その後09年12月まで同シニア・アドバイザー。マーケティング、新規事業、中長期、グローバルなどの戦略策定・実行支援。

『論点思考』 東洋経済新報社 1680円


    
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