「韓国の人気YouTube」が配信停止になった理由 ネット民が「出演者の過去の悪行」を晒す事態に

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このように多くの韓国人から愛され認知度の高いTVシリーズとなった『本物の男』だが、これをパクリ、さらに過激な訓練にして作られたのが『偽物の男』である。

『偽物の男』はユーチューブコンテンツとして配信された。チャンネルの運営は、エクササイズ系ユーチューブチャンネル「フィジカルギャラリー」と、戦術研究/開発/訓練を行う企業MUSAT Inc.が行っている。MUSATとは、Multi UDT/SEAT Assault Tacticsの略であり、動画内ではアメリカ海軍の戦術方式の中でも、体力的、精神的にさらに厳しいレベルの訓練を体験する内容だ。

『偽物の男』は、今年7月9日からシーズン1がスタート。配信直後からネットを中心に話題となり、1話目はアップロードするや否や200万回再生を記録している。出演者は、ラッパー1人とユーチューバーなどの配信系有名人5人、計6人である。

シーズン1が最終回を迎えると、すぐにシーズン2の製作が開始され、10月1日からその1話目が配信開始された。シーズン2では出演者も全14名に増え、ユーチューバーたちに加え、元サッカー選手であるキム・ビョンジ、フランス系の俳優ジュリアン・カン、スピードスケート・ショートトラック選手クァク・ユンギなど前回よりも知名度の高い出演陣がそろった。

さらに、視聴者の関心を集めたのが、MUSAT Inc.に所属する訓練教官たちだ。動画内では、アメリカ軍経験者やボディーガード経験者であるマッチョでイケメンな教官たちが、顔出しで訓練の解説をするインタビューシーンも多く、訓練生たちと同様に教官たちの人気も上がっていった。

出演者の過去の悪行をネット民が晒す

このように、ユーチューブチャンネルとして大成功したかのように見えた『偽物の男』だったが、一体なぜ公開中止に追い込まれたのだろうか。

もともとトレーニングを積んだ軍人が受ける訓練であるため、その過激さに批判が集まっていた。特に精神的訓練ともいえる水攻めでは、水恐怖症の訓練生を何度も波が打ち寄せる浜辺に寝かせ、体を震わせ嘔吐しながらも訓練を続けさせる姿には一部やりすぎの声も上がっていた。しかし、多くの視聴者は苦しみながらも耐え抜き、一歩一歩成長する訓練生を応援しながら配信を楽しんでいた。

配信停止となった理由は、次々と出演者の問題が明らかになったからだ。特に教官たちの私生活や偽証を、ネット民たちが続々と暴露しだした。

教官の中でも、甘いマスクとカリスマ性で人気のあったイ・グン氏については、

● 軍隊で部下に200万ウォン借りてそのまま返していない容疑
● アメリカ市民権保持者と思われながら実は韓国人である
● 米軍と国連軍で勤務したと言っていたがウソ
● 路上で女性にセクハラ容疑
● ほかの教官と一緒に不法な風俗店へ出入りしていた

といった疑惑が噂されるようになった(後日、本人が韓国の媒体のインタビューでこれらの噂について反論している)。

さらに、配信停止を決定的にしたのが、人気教官ローガン氏の「モムキャムフィッシング」疑惑である。「モムキャムフィッシング」とは、最近韓国で増えている詐欺の1つで、リベンジポルノに似た手口だ。韓国人で使っていない人はいないと言われるメッセージアプリのカカオトーク。この中のオープントークで詐欺が行われることが多いという。

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