衝撃の小ささ!「iPhone 12 mini」驚きの実力 最新プロセッサー搭載、5G対応、カメラ2基搭載

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しかし同じA14 Bionicを搭載するほかの新モデルに比べれば、当然バッテリーの小ささが差として表れる。iPhone 12 miniはビデオ再生で最大15時間だが、iPhone 12・iPhone 12 Proは最大17時間、iPhone 12 Pro Maxは最大20時間となり、画面サイズが大きくなれば、バッテリー持続時間も長くなる。

ただ、iPhone SE(第2世代)はビデオ再生で最大13時間となっているため、それよりは長いバッテリー持続時間を確保している。

画面の明るさとカメラ性能は?

iPhone 12 miniのディスプレーは、ほかのiPhone 12シリーズに比べれば小さいが、5.4インチの有機EL「Super Retina XDR」を搭載している。顔認証のTrueDepthカメラや通話のスピーカー部分が埋め込まれている画面上部の切り欠きを除いて、端末のフチいっぱいまでディスプレーが敷き詰められている。

サイズは4.7インチ液晶ディスプレーを搭載するiPhone SEやiPhone 6、iPhone 6s、iPhone 7、iPhone 8よりも小さい。しかし縦に伸びた画面サイズはPlusサイズの5.5インチに近く、必ずしもiPhone 12 miniの画面サイズが小さいともいえないから不思議だ。

特にメールやメッセージなど、画面を縦長に構えて使う機会が多いスマートフォンでは、よりたくさんの内容を表示することができるようになる。その一方で、5.8インチのiPhone X、6.1インチのiPhone XRなどと比べると、やはり画面サイズの小ささ、文字の小ささを感じ、iPhone X以降の画面サイズに慣れている人は、6.1インチのiPhone 12のほうが選びやすい。

色づき始めた紅葉を見上げてiPhone 12 miniで撮影。緑から赤までのグラデーションが美しく再現されている(筆者撮影)

有機ELディスプレーの標準輝度は625ニトで液晶時代と同じだが、高画質ビデオに採用されるHDRコンテンツを再生する場合は、iPhone 12 Proシリーズと同等の1200ニトまで明るくなり、高いコントラストと豊かな発色を楽しむことができる。しかも、iPhone 12 miniのカメラで、Dolby VisionのHDRビデオを撮影することができ、編集もこなすパワフルさがある。

通常の写真も、暗所を含めて美しく撮影できる。f1.6の明るい広角レンズに加えて超広角レンズも搭載し、2つのカメラを連動させて写真の高画質化を行うカメラシステムを構成する。少し黄色が強かったホワイトバランスも調整され、より色温度が上がった印象を受ける。背景をぼかすポートレートモードの撮影は、人以外の被写体もドラマティックに描き出す。

逆光の夕日をiPhone 12 miniで撮影。空の雲と陰になっている草木の風景を描き出している(筆者撮影)

先述のとおり、サイズは小さいがiPhone 12シリーズとして機能に妥協はなく、カメラで撮影した写真とビデオを、美しく再生するディスプレーを備え、「カメラとしてのスマホ」も抜かりなく楽しむことができた。

iPhone 12 miniは、2020年のiPhoneラインナップの中で、最も小さいモデルに位置づけられ、価格も安く設定されている。しかし、技術レベルを測る意味で、最も注目すべき大きな存在だ。5G、Dolby Visionビデオ、有機ELの美しいディスプレーなど、最先端のiPhoneが持つ価値を余すことなく実現しながら、4G初期の4インチサイズのiPhoneに似たようなサイズ感と軽さに抑えることができた。独自設計のチップから製品を作り上げるその実装レベルの高さが、現在のアップルの技術、デザインを含む「実力」を表している。

街灯がなければ暗くて見えない夕方5時に、iPhone 12 miniのナイトモード(3秒)で撮影。滑り台の赤、街灯に照らされた緑がくっきりと表現されている点は驚かされる(筆者撮影)

iPhone 12 miniは、現在のアップルのすごみを感じることができる、最もスマートな製品だ。昨今のスマートフォンのサイズを持てあましていた人、よりミニマムに道具をそろえたい人にとっても、機能に妥協なく安心して選ぶことができる1台だ。加えて、小さな画面はiPhoneでの映像視聴や長時間のコンテンツ消費を軽減し、タブレットやテレビなどほかのデバイスの活用を通じて、スマホに首を傾ける時間を減らしてくれるのではないか。

ただ、より積極的にスマートフォンに生活のさまざまな物事を集約することで、シンプルなライフスタイルを選択しようとしている人にとっては、もう少し大きな画面サイズを選んでおいたほうが快適だろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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