サイバーダイン、株価乱高下の必然 値動きの荒さは期待の高さゆえか

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株価は14年度の赤字見通しを発表した後、終値ベースで5月19日に上場来安値の5110円をつけ、21日にはザラ場で一時5000円を割り込む展開もあった。しかし、22日になると今度は株価が急伸した。

きっかけは22日の13時に公表された株式分割だった。その内容は、7月末を基準日として、普通株式とB種類株式1株につき、それぞれ5株の割合で分割するというもの。株価はこれに反応し、終値は前日比で1割近く上昇し5780円で引けた。 26日には終値ベースで6000円台に復帰している。

サイバーダインの単元株数は100株で、現在の時価からすると株式購入に必要な金額は最低でも60万円以上が必要になる。単純計算すれば株式分割で最低購入金額は10万円台に下がる。今回の株式分割によって発行済みの普通株数は、1115万7600株から5578万8000株に増える。こうした流動性の向上が好感されたとみられる。

「加速度的に増大」

上場時、山海社長が「市場そのものがない状態からの展開は大変だった」と述べたように、生活支援分野のロボット事業を専業するサイバーダインのような会社は、ほかの上場企業に見当たらない。ロボット治療機器として、医療機器認証を取得したのもサイバーダインが世界で初めてであり、この分野では先端を走っている。

記事冒頭の写真を拡大したもの。902(百万円)は、15年3月期の売り上げ見通し。

「ロボティクス」という相場テーマが注目を集める限り、その業績動向で市場が一喜一憂し、株価がその度に大きく動くことになるかもしれない。5月22日の決算説明会で示したプレゼンテーション資料には、はみ出しそうなほどの勢いで描かれた矢印とともに、「加速度的に売上げ増大」と記されていた。

この大胆な見通しを実現するうえでも、まずは下期以後の加速度的な売り上げの拡大と採算の改善を果たすことが不可欠になる。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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