和歌山「野菜の魔術師」が東京進出に興味ない訳 1日1組だけ、プロの料理人も訪れる人気店

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── では、これまでやってこられたことを次の世代に伝えていくとか、そういう下を育てる的なことはお考えですか?

「そこがね。自分で育てるのは結構無理なんです。以前は店で人を雇っていた時もあったんですけど、僕は教え方がうまくない(笑)。

だから今は地方に行って、生産者やシェフを訪ねて一緒に料理を作るとか。ま、そんなに喋らないんですけど(笑)、そこで若い人には何かを感じてもらえればと思ってやっています。僕の素材の選び方、切り方、火の入れ方とかを見て、感じてもらって」

── 確かに、そういう繋げ方もありますね。そうすると、弟子が何十人何百人もいるようなシェフもいますけど、そういうふうにはなりたくもない?

「なりたくないっていうか、なれない(笑)。だから一人ずつ。店には同業者が来てくれるんですけど、若い子も来てくれて、“あ、俺も田舎でレストランやろう”って言って、お店を出した子が、もう何人かいるんで。それが広がっていけばいいなと……。料理人は東京じゃなくてどこでもできるし、発信できるし」

東京よりニューヨークに行きたい

── ご自身、東京に出ようとは思わない?

「ないです。まったくないです。東京に行くなら僕はニューヨークとか行きたい。なんで東京? 東京って住みにくいよね。何しに行くのって(笑)。行くんだったら海外に出てってという気はありますけど」

── なるほど。でも、やはり、美味しい野菜であれ何であれ、いい食材が身近にあるところでお店をやるというのが基本?

「基本だと思います。陶芸家はいい土のあるところで焼物をするじゃないですか。料理人もそれと一緒です」

シャイな中にも熱い想いと揺るぎない信念が感じられる小林シェフのお話でした。その時季でなければ、そこに行かなければ食べられないものを、最高の調理でいただくことの豊かさ。

それを味わい楽しめる贅沢。結局、すべては一期一会。そのことに気づかせてくれる小林シェフの思いが凝縮した特別なアテに巡り合いたい人はこの期間を逃さないで!

長谷川栄雅 六本木

長谷川栄雅 六本木(写真:LEON編集部)

住所/東京都港区六本木7-6-20 1F
営業時間/12:00~20:00
定休日/火曜日
URL/https://hasegawaeiga.com/
予約・問い合わせ/☎03-6804-1528

●料金/1名5000円。厳選された5種類の酒の肴と、5種類の「長谷川栄雅」の日本酒を提供。前日20:00までに要予約で1組4名まで(1日5組限定)。所用時間は約40分。今回のメニューは12月30日まで。

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