誰でもアイデア名人になれる「図を描く」習慣 超簡単な「思考の見える化」と「組み合わせ」

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これらは一例で、まだまだあります。

・カメラで撮影した家の外を、室内の壁一面に投影し壁が消えてしまう家(撮影×投影)
・乗れば乗るほど健康になる車(移動×診断・治療)  etc

つまり、新しいアイデアを捻り出す際に、1枚の紙のタテとヨコに何らかの軸を取り、その掛け算のマス目をにらんで「何か新しいものはないか?」と考えてみるのです。

アイデア創出に行き詰まったら、ぜひ図(マトリックス)で考えてみてください。

図なしで組み合わせを考えるのは難しい

実は、これを「図なし」で考えるのはとても困難です。

2つの異なる要素をタテ・ヨコに取ると、パッと紙を見ながら考えられるし、空いているマスもすぐ目につきます。しかし、これを箇条書きにすると大変なことになる。タテ・ヨコの要素が5つあるだけで、5×5=25行の箇条書き。どこをどう見て何を発想していいのかわからなくなってしまいます。

もし、3つ以上の切り口を組み合わせて発想しようとするなら、紙に、それらの要素をバラバラと描いて眺めたほうが、箇条書きにするよりはるかにましです。例えば、3つの異なる切り口に5つずつ要素があるとすると、箇条書きの場合、5×5×5で125行……。

それより、要素を書き出て図にまとめ、グッとにらみ、直感的にさまざまな組み合わせをイメージしつつ考えたほうが、アイデアが浮かぶというものです。

図は、文章だけでは捉えられないものをよりわかりやすく、直感的に見せてくれます。それゆえ、本質的な理解が深まり、新しい着想を得るのに役立つのです。

平井 孝志 筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授

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ひらい たかし / Takashi Hirai

東京大学教養学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学(MIT)MBA。早稲田大学より博士(学術)。ベイン・アンド・カンパニー、デル(法人マーケティング・ディレクター)、スターバックス(経営企画部門長)、ローランド・ベルガー(執行役員シニアパートナー)などを経て現職。コンサルタント時代には、電機、消費財、自動車など幅広いクライアントにおいて、全社戦略、事業戦略、新規事業開発の立案および実施を支援。現在は、経営戦略、ロジカル・シンキングなどの企業研修も手掛ける。早稲田大学経営管理研究科客員教授、キトー社外取締役、三井倉庫ホールディングス社外取締役。著書は『本質思考』他多数。

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