41歳女性「交際10日でプロポーズ」に至った経緯 「自然体をやめた」彼女がつかんだ果実

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純子さんもようやく積極性を発揮した。3度目は勇気を出して1人でイベントに参加したのだ。そこで紀之さんとLINEを交換し、紀之さんにすすめられたマンガを読んだ感想などを送った。

それからの展開は早かった。昨年秋に初デートをし、2カ月後には交際を始め、なんとその10日後には紀之さんからプロポーズされたのだ。

「彼の地元までドライブしに行く途中でのことです。思わず『早!』と言ってしまいました(笑)。嬉しかったけれど、感情に任せて結婚を受けてしまっていいのかがわからなかったからです」

ドライブしながらたくさん会話をしたところ、紀之さんはお互いの年齢を考慮して子どもができる可能性が高いうちに結婚しようと思ってくれたことがわかった。純子さんは「この人以上の男性はいない」と思いつつ、「子どもができるかどうかは年齢のことがあるのでわからない」と伝えた。そして、とにかく2人が一緒にいることが幸せで、プラスアルファで子どもが来てくれたらよりいい、という点で合意。帰路、海岸で夕陽を見ながら婚約を交わした。

新婚生活はコロナ禍と重なってしまった。独身時代は公私ともに全国を飛び回っていた紀之さんも完全にリモートワークになり、純子さんよりも自宅にいるようになった。純子さんはそれが嬉しい。

「付き合って結婚するまでが短かったので、2人で過ごす時間が長くていいなと思っています」

結婚生活で得た温かな気配と安心感

仕事以外はとくに何かをしているわけではない。お互いのおすすめマンガを読んだり、一緒に料理をして食事をしたり。ちなみに、紀之さんは片付けが苦手なタイプであることは交際時から純子さんは把握していた。

「彼の1人暮らしの家に行ったら、お金が床に落ちていました(笑)。でも、生理的に嫌な汚さではありません。これは私のほうが変わらないと一緒には住めないな、と思いました」

純子さんにはある経験がある。紀之さんと同じように片付けができない男性と付き合っていた際、強く言っても改善されず、相手を怯えさせてしまうばかりだった。

「私の母はものすごくきれい好きで、子どもだった私が片付けができていないと夜中でも叱りつけてやり直させるような人でした。子ども心に『それは違うな』と思っていたんです。モノの置き場所をあまり細かく分類しないなど、苦手な彼でも片付けられる工夫をしようと今では思っています。片付けは私の趣味にすぎないのです」

家事は7割方純子さんが担っている。しかし、「社交的なオタク」である紀之さんとの共同生活は楽しいと純子さんは笑顔を見せてくれた。

「学生時代から20年以上、1人暮らしでした。気楽でいいけれど、生活を作っていく感じはしません。人と話すには、約束をしてから家の外に出ないといけないし……。今は、家の中に紀之さんがいる温かい気配があります。何気ないことも共有できるし、1人じゃないという安心感は例えようもなく大きいです」

警戒心が強い人見知りを自認する純子さん。「真逆な性格」の紀之さんと結婚したことで、人間関係が広がっていくのを感じる日々だ。人生の残り半分を、純子さんは新鮮な気持ちで送れることだろう。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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