11月以降、日米の株価はジワジワ上昇しそうだ

今の市場は「不思議の国のアリス」に似ている

もう一つ、市場に決定的な動きが出にくく、お茶会の空騒ぎが続いている背景には、11月3日のアメリカ大統領選挙の結果待ちになっている部分もありそうだ。この選挙戦自体も、第1回目の大統領候補同士の討論会は、まるで茶番と呼ぶにふさわしい「ぐだぐだなもの」であった。

おそらくその反省があったためか、「第2回目」(当初予定は第3回目だったが、2回目が中止となったため結果として第2回目に)の討論会は、ぐっと落ち着いたものだった。だからといって、内容が極めて高品質なものとなった、というわけでもなかったようだ。

もちろん、茶番であろうとどうであろうと、アメリカという経済・安全保障等の面で超大国の、行政のトップが誰になるか、という点は重要であり、結果が出るまで市場として動きにくい、ということは理解できる。

どちらが大統領でも「想定外の重要事態」ではない

とは言っても、どちらが大統領になっても、市場が大きく揺らぐとは見込みにくく、政治的な不透明要因が一つ剥落する分だけ同国の株価は上値を追いやすくなると考えている。

そもそもドナルド・トランプ氏が再選されれば、単に現政権があと4年やるだけのことだ。またジョー・バイデン氏が大統領となれば、前政権の副大統領が大統領になるだけだ。どちらの場合も、想定外の重大事態とは言いがたい。

バイデン氏の政策の場合、法人税率や富裕層の所得税・キャピタルゲイン税の最高税率引き上げなど、増税策が先行して市場で懸念を呼んでいた。しかしその後は時間をかけて、増税策による景気・株価の圧迫は、市場に十分に織り込まれ切ったと解釈できる。

さらに、民主党の「大きな政府」との党是を踏まえると、歳入(税収)の膨張のみならず、歳出拡大も推し進められると見込まれる。歳出増は、景気支持要因で「バイデン政権が株価下落ばかりをもたらす」、との見解は当たっていないだろう。

今回の大統領選挙で、郵送投票を選択する有権者が過去よりも多く、投票日以降に着いた郵送投票分も有効とする州が多い(19州とワシントンDC)ことから、決着がつくのに日にちがかかりだらだらと不透明感が続く、との懸念も聞かれる。

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