11月以降、日米の株価はジワジワ上昇しそうだ

今の市場は「不思議の国のアリス」に似ている

まさに茶番にふさわしい市場のあたふたの繰り返しは、新型コロナウイルスに対するワクチン・治療薬の開発状況について「認可が早そうだ」「いや、治験で死亡者が出た」などのドタバタが上乗せされて、さらなる大騒ぎとなっている。

ただ、どうしてこうした意味の薄い株価の上下動が繰り返されるかと言えば、他に決定的な材料が乏しく、情勢が不透明で、株価のトレンドが上にも下にも決め打ちしにくい、という状況が背景にあるからだ。

さらに、情勢が不透明な一因としては、アメリカでは7~9月期の決算発表の渦中であるという点も挙げられそうだ。すでにかなりの企業が発表を終えており、22日に発表を行い翌23日に株価が急落したインテルのように、個別に株価が大きく動いたものも見受けられる(ただし、決算実績は前年比減収減益ではあったが、事前見通しと比べてそれほど悪い内容だったとはいいがたい)。

とは言っても、注目を集めている「GAFA」は、そろって決算発表日が29日とこれからで、投資家がそのイベントを待ちたいという様子見気分になってもおかしくはない。

アメリカ市場は企業業績を確認後、堅調さを増す可能性

さすがに、こうした「決算内容待ちの日々」は、もうすぐ峠を越しそうだ。ファクトセット社が集計している、アナリストの平均利益見通し(S&P500採用銘柄ベース、先行き12カ月間の1株当たり利益予想値)は、コロナ禍のなかにあった今年5月は前年比19.8%減益まで引き下げられた。だがその後は経済全体の持ち直しなどを反映し、直近では9.4%減益予想まで上方修正されている。こうしたアメリカの企業収益の改善傾向が、7~9月期の収益実績でしっかり確認されれば、今後の同国の株価は堅調さを増すものと期待される。

ただし日本株については、アメリカより決算発表のタイミングがやや遅れ、その分様子見が後まで残ることと、前回の当コラムで述べたように、アナリスト見通しの上方修正の度合いが小幅で鈍いことが、今後の株価の上昇基調がアメリカ株に比べ力強さを欠くものになりかねないとの懸念を招いてしまう。

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