報告書がイマイチな人はメモのコツを知らない 表現力ではなく「素材」をどう見つけるかだ

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感じたことの報告も加えておいたほうがいい、と考えたなら「お客さまはこんな印象だった」「こうしたほうがいいと感じた」などの感想もメモしておく。そうすることで、営業活動で何が起きているかについて、上司の理解はより深まる。

リモートワークであれば、区切りのいいところで、進捗をメモしておく。何をしていたか。どんな課題に向き合っていたか。どんな成果を生み出せたのか。「事実」「数字」「エピソード(コメント)」を意識する。

実は最初から日報を書かなければいけないと認識していれば、メモに意識が向かうようになる。上司に報告するための「素材」へのアンテナが、自然に立つようになる。そしてメモさえあれば、あとで日報を書くことに苦しむことはない。

「素材」に目を向け、メモをしっかり書いておけば、実は長い文章にも困らない。それなりのボリュームのレポート提出を求められると憂鬱になるという声もよく耳にするが、2000文字、3000文字のレポートも怖くない。

出張レポートが憂鬱になるのは、取っておくべき「素材」のメモを取っていないからである。日報と同じように、会社に戻ってからあれこれと思い出そうとしても、そうそうできるものではない。人間は忘れる生き物。現地でしっかりメモを取っておくことが大切になるのだ。

書く「目的」と「読み手」を確認しておこう

では、何をメモするのか。まずは出張レポートの「目的」、そして「読み手」を確認しておきたい。レポートといっても、さまざまな「目的」がある。例えば、部内の情報共有。あるいは上司の現状把握。社長視察の事前レポート。役員会議で使用する報告書。取引先に提出する資料などなど。

「読み手」も、同僚、上司、役員、社長、取引先など、さまざまに考えられる。役員が読むのに、同僚が読むものだと勘違いして出張レポートを書いたら、困ったことになってしまいかねない。

「目的」と「読み手」をしっかり確認しておけば、必要な「素材」に意識が向かう。どんなことを「素材」として集め、メモしてこないといけないか、イメージできるようになる。

例えば、「目的」が出張先の取引先の状況把握、「読み手」は上司だったとする。端的にいえば、上司である課長に出張先の現状報告をする、ということ。

となれば、まずは課長が何を知りたいのか、確認する必要がある。「目的」をしっかり確認したうえで、ウェブサイトなどで、相手先の情報を調べておき、取引先の何をチェックしておかなければいけないのか、事前にリストを作っておく。

次ページ長い文章を書く際の「素材」をどう集めたらいいか?
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