以下、5位奈良女子大学、6位学習院女子大学、7位神戸女学院大、8位同志社女子大、9位昭和女子大、10位福岡女子大学、同10位白百合女子大学と続いた。
ただこの女子大の有名企業400社の実就職率はここ数年下降傾向にある。その要因がメガバンクにおける事務職の採用減。メガバンクの採用者が多かった2017年と比較すると、実就職率が20%を超える大学は、当時の8大学から4大学に減った。当然、ランキング中の大半の大学で有名企業400社への実就職率が下がっており、ベスト10に入った大学の内、当時を上回っているのは奈良女子大のみだ。
エアラインの採用中止がどう響くか
実就職率の変化と連動して、就職先の上位企業も変わっている。ランキング上位の大学の就職先を見ると、2017年はメガバンクが多く並んだが2020年は大幅減。押し出されるように学生の人気が高い航空業が上位になっている。
聖心女子大を例にとると、2017年のベスト3は三菱UFJ銀行(12人)、全日本空輸(11人)、三井住友銀行(10人)だったが、20年は日本航空(11人)全日本空輸(10人)、ANAエアポートサービス(8人)となっている。
またメガバンクの減少分は、航空業に加え、生損保や製造業などへ就職先のすそ野を広げることで補っており、各大学の400社の実就職率は減少しているとはいえ、大幅に減るという事態には陥っていない。
その要因として駿台の石原氏は「男子学生がいない女子大の学生は、あらゆる役割を経験することにより、積極性を身に付けて社会に出られる強みがある」と指摘する。各大学の手厚い支援とともに、女子大生ならではのタフさも就職率減少の歯止め要因になっている。
今後、メガバンクの採用減以上の逆風が女子大に吹くことが予想される。2021年卒に関しては航空業の各社が採用中止を打ち出しているからだ。さらに、景気後退により採用状況が不透明になる2022年卒以降についても気になるところだ。
こうした状況の中でも女子大は、入試の倍率は低いが就職に強い、“お得な”大学であり続けられるのか。真価が試されることになりそうだ。
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