サザエさん「5連続パー」を奇跡だと感じる理由

統計学上、出る手の確率はいつも同じだが…

ルーレットで赤か黒が出る確率や「美人」かどうかと認識するのは、脳が「シンメトリーな結果」を求めているからだといいます(写真:SIphotography/iStock) 
脳科学者で、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍する中野信子氏と、ベストセラー著作を多く抱える行動経済学者の真壁昭夫氏が、共著『脳のアクセルとブレーキの取扱説明書 脳科学と行動経済学が導く「上品」な成功戦略』を出版しました。
「成功者」の脳の中で起こる現象や行動のポイント、さらには子育て・外見・人間関係といった多くの人が抱える悩みに対し、脳科学と行動経済学の観点から対処法を示しています。
本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

中野:テレビアニメの「サザエさん」(2020年6月7日放送回)で、次回予告の後に行われるジャンケンにおいて、サザエさんが「5回連続で同じ手」を出していると話題になりました。

私は、まったくありえる話なのに、皆が奇跡だと思っていることこそが面白い、と感じました。

これは統計の誤謬。これには皆さんもだまされてしまうようで、株式市場などマーケットの世界でも、同じようなことは起こるそうです。

今回はマーケットの動きについて、行動経済学と脳科学の分野から分析していきたいと思います。

株が3日連続で上昇すると翌日は下がる?

真壁:日経平均株価が3日連続で上昇したとしましょう。では、4日目もこのまま上がるのか、それとも下がるのか?

「3日も連続で上がったから、そろそろ下がるかもしれない」 ――。株式投資をやっている人ならば、こんなふうに思った経験があるのではないでしょうか?

また、連騰が続いたので、そろそろ下がるだろうと思って買いポジションを処分したところ、まだまだ上がって悔しい思いをした、そんな経験がある人も多いかもしれません。

これは行動経済学でいうところの、「ギャンブラーズ・ファラシー(ギャンブラーの誤謬)」というテーマです。

株価が3日続けて上がる話と同じように、例えばルーレットを回して赤が3回続けて出たとします。そうすると、多くの人が「4回目は、そろそろ黒が来るだろう」と思い込んでしまいがちなのですが、実際に次のルーレットで出る色の確率は変わっていません。

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