パスモ「iPhone対応」、私鉄陣営は次に何を狙う スイカに遅れた理由は「定期券対応の難しさ」
スイカは2011年にアンドロイド搭載のスマホに、2016年にアイフォーンに対応している。モバイル化と並行して新幹線などのチケットレス化を進めていることも、モバイルスイカの普及を後押しする。JR東日本は9月8日に「モバイルスイカの会員数が1000万人を突破した」と発表した。カード、モバイルの両面でスイカがパスモを大きくリードする。
一方、パスモのサービス開始は2007年で、スイカに6年遅れてのスタートとなった。パスモの今年9月末時点の発行枚数は3959万枚で、スイカの約半分の規模にとどまる。さらに、モバイル化でもスイカに後れをとった。
その理由は定期券対応。「1つのアプリでさまざまな鉄道事業者の定期券を買えるようにするのが大変だった」と、パスモ協議会モバイルプロジェクトリーダーの中島浩貴氏が明かす。アップルペイのパスモで購入できる定期券は鉄道事業者が19、バス事業者が16あり、それぞれ発行ルールが異なる。これを1つに束ねるまでには相当な苦労があった。
さらにパスモを使った乗車に応じてポイントを付与する鉄道事業者もあり、こうした事業者ごとに行っている異なるサービスへの対応にも時間がかかったという。また、今回のアプリに対応するサポートセンターも設けられ、疑問点をチャットや電話で相談できるサービスがあるが、これも事業者ごとに異なるルールに対応する必要があるだけに、準備が困難だったことは想像に難くない。
スイカとパスモの両方が使える
では、すでにモバイルスイカを使っている利用者が、新たに自分のスマホをパスモに対応させることはできるのだろうか。
アンドロイドの場合はスイカとパスモの両方に対応する機種もあるが、スイカとパスモのどちらかしか対応できない機種もある。
一方、アップルペイの場合は最新のOSを搭載した比較的新しい端末であればスイカとパスモの両方が使える。改札通過時にスイカとパスモのどちらを使うかは事前に設定できる。「パスモを複数枚発行することもできるので、仕事用とプライベート用に使い分けることもできる」と、パスモ協議会の担当者が話す。
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