独断で選ぶ「座り心地がいい」私鉄特急ベスト10 鉄道各社の看板特急、乗って比較してみた

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サルーンは大型テーブルと仕切りがあるのでグループ向きだが、向かい合わせ座席はリクライニングせず、肘掛けがないので座り心地は普通。

ロマンスカーには60000形「MSE」、70000形「GSE」もある。特に後者はVSEより窓も大きく、座席幅も475mmに拡大された。コンセントや肘掛けテーブルも備わるなど優れた点も多い。ただ、どちらも座席間隔が983mmと狭く、座面が硬い(特にMSE)のが気になる。

■5位:近畿日本鉄道23000系「伊勢志摩ライナー」/サロンカー

1994年登場で、愛称のとおり、伊勢市・賢島方面での運用が多い。

レギュラーシート、デラックスシート、サロンカーの3クラスで、2013年の改装時にコンセントも設置された。座席間隔は2+2列のレギュラーと、1+2列のデラックスが1050mm、サロンカーは向かい合わせで2250mm。

レギュラーとデラックスも水準以上だが、特筆すべきはサロンカー。1+2列の向かい合わせ座席で1人掛けが「ツインシート」(2人用)、2人掛けが「サロンシート」(3~4人用)として販売される。側窓は高さ1225mmで開放感があるが、同時に座席間に荷物置き場があり、個室感もある。

座席幅も575mmと新幹線グランクラス以上で、背もたれも素晴らしい(同様の設備を有する観光特急「青の交響曲」よりやや上と感じる)。にもかかわらず、追加料金不要なのもいい。

元「成田エクスプレス」がランクイン

■4位:長野電鉄2100系「スノーモンキー」/4人用個室

2011年登場で、元はJR253系「成田エクスプレス」を改装した。普通席と4人用個室の2クラスで、特急料金は100円。個室は1室1000円と安い。普通席は座席が半分だけ進行方向に向けられ、車両中央で向かい合わせの固定座席と、回転リクライニングシートの両方が備わる。

座面スライド機構がついたリクライニングシートは、背面テーブルと網袋を備え、座席間隔も1090mmと広い。グループ客なら、固定座席の向かい合わせ部分もいい。座席間隔2040mmで、テーブルも備わりグループ向きだ。

ただ、グループ客なら個室をお勧めする。VIP乗車を想定したグリーン個室だった区画で、座席間隔は2200mm。リクライニング機構を備えた大型ソファが素晴らしい。

長野電鉄では、元小田急ロマンスカーの1000系「ゆけむり」も活躍する。座席間隔970mmの回転クロスシート。背もたれの形状がよく、座り心地は良好。特別料金不要の展望席もある。

■3位:東武鉄道100系「スペーシア」/普通席

東武「スペーシア」(編集部撮影)

1990年登場で、日光・鬼怒川方面の特急「けごん」「きぬ」で活躍する。普通席と4人用個室の2クラスで、列車内にビュッフェも備わる。普通席は2+2列で座席間隔1100mmの回転リクライニングシート。付帯設備はフットレスト、肘掛け内テーブル、壁面テーブル、網袋。JRグリーン車に近い座り心地だ。

4人用個室は1室3150~6300円の追加料金がかかるが、非常に座り心地がいい。座席間隔は2030mm、個室の横幅は1740mmなので座席幅は2人で推定1400mm程度もある。

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