「弱み」の見せ方次第で窮地から救われる? 「最小最弱」をマネタイズする経験は、大きな仕事にもつながる

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最小最弱だけど、それが強みにもなる!

なぜ、こんなことが起きるのか。それは、強みだけではなく「弱み」も正直に見せていることが功を奏しているのだと思う。

ラジオは今、決して強いメディアではない。日曜深夜の弱小番組ならなおさらだ。しかし弱いからこそ、何とかしてこの番組を守ろうと思ってくれる人がいる。ロイヤルティが高いファンの存在は、スポンサーにとっての魅力、番組の「強み」にもなりうる。

番組でメールが読まれたリスナーには、オリジナル缶バッジをプレゼントしている

規模は小さいかもしれないが、番組を守る、貢献するという強いモチベーションを持つリスナーだからこそ、実際に商品を購入してくれたり、情報の拡散に協力してくれたり、イベントに足を運んでくれたりするのだ。

こうした「弱み」と、だからこその「強み」は、実はラジオ全体にもいえることだ。そして「Life」という、ある意味では最小最弱の番組を通じて学んだマネタイズの手法は、僕が担当するもっと大きな番組にも生かされ始めている。厳しい状況を打開するヒントを見つけるには、あえていちばん厳しい場所で探してみるのがオススメだ。

構成:宮崎智之

「週刊東洋経済」5/3・10合併号:最強のエアライン

 ☆★☆放送のお知らせ☆★☆
最新の「文化系トークラジオLife」(4月27日放送分)は、ポッドキャストでも聴けます。

過去の放送アーカイブも番組ホームページへ!

4月27日のテーマは、
「マイルドヤンキー限界論~"ジモトでまったり"では生きられない時代に必要な力」

最近「マイルドヤンキー」、「ヤンキー経済」という言葉が流行っていますが、Lifeでは2008年から同様の指摘をしていました。しかしもはや、マイル ドヤンキー的な生き方が維持できない時代になりつつあるのではないか? という危機感のもと、“これからの時代に必要な力”を考えます。


 

長谷川 裕 TBSラジオ プロデューサー

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はせがわ ひろし / Hiroshi Hasegawa

1974年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1997年にTBS入社。2001年からTBSラジオの番組制作を担当し、「荻上チキ・Session-22」、「菊地成孔の粋な夜電波」、「森本毅郎・スタンバイ!」、「アクセス」などの番組を手がける。2006年に立ち上げた「文化系トークラジオLife」は、優れた放送番組に贈られるギャラクシー賞大賞を受賞(2008年)、同番組では「黒幕」としても活躍している。共著書に『文化系トークラジオ Lifeのやり方』、『文化系トークラジオLife』などがある。@Life954

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