「民間部門の過剰貯蓄」でアメリカ経済も停滞へ

ISバランスから読み解くアフターコロナの経済

こうしたマクロ経済環境は一言で言えば「日本化」であり、既にユーロ圏では近年進んできたものである(ユーロ圏はまだ1~3月期までしか統計の発表がない)。もちろん、本家である日本も同じ状況が確認されている。しかし、コロナショックを受けて、民間部門の旺盛な消費・投資意欲が強みであるはずのアメリカでも民間部門が巨額の貯蓄超過に陥ったことは今回のショックが過去とは異なる震度で起きていることを物語っているだろう。

アメリカの「強い消費」はしばらく戻らない

もちろん、経済活動が制限されている状況下で異例の財政措置が導入された結果、「お金は振り込まれるが消費や投資はできない状態」が半ば強制的に作られたのであって、日米欧のいずれについてもこの状態が7~9月期以降も続くことはないだろう。

だが、アメリカに関して言えば依然として雇用・賃金情勢が甚大なダメージを負った状態であり、「所得以上に消費する」というアメリカの民間部門が持っていた生来の強さがすぐに復活してくる可能性は小さいと言わざるをえない。腰折れたまま浮上してこないアメリカの消費者心理(例えばコンファレンスボード消費者信頼感指数)がそれを予感させる。

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