『ルポ 貧困大国アメリカII』を書いた堤未果氏(ジャーナリスト)に聞く

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--「孤軍奮闘」の形ですね。

メディア自身の経済状況もあるのかもしれないが、大手メディアは劇場型にしすぎだ。自分の足で取材して、こういう事実があると差し出すことをしない。本当のジャーナリズムは地味な作業のはず。できるだけ派手にセンセーショナルに、それもワンフレーズの劇場型にするというのは邪道。テレビばかりでなく、新聞もそうなっている。

確かに視聴率は上がるかもしれない。しかし、受け手は皮膚感覚でしか、社会で起きていることをとらえなくなってしまう。頭で検証しなくなる。これでは、メディアと受け手両方とも劣化していく。怖いことだと思う。

地味でも本当のことを伝えていけるように、受け手も変わらなければいけない。アメリカが反面教師になっている。メディアが劇場型になると、選挙も劇場型になって、選挙が劇場型になると有権者が一時熱狂したとしても、結局、政治から離れていく。その結果が今のアメリカだ。

(聞き手:塚田紀史 =週刊東洋経済)

つつみ・みか
東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村証券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆・講演活動を続ける。

『ルポ 貧困大国アメリカ2』 岩波新書 756円

  

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