JR長距離列車「銀河」、乗って感じた気になる点 寝心地は最高の出来栄え、ほかの部分はどうか

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横になると寝心地は悪くない。座席下と上、寝台下の3カ所に荷物が置けるのはいい。側窓にはロールカーテンとレースカーテンが。また、寝台区画を通路と仕切るためのカーテンも備わる。コンセントとUSB接続端子も2つずつある。車端には4脚の座り心地がいい座席を備えたグリーン客専用ラウンジもあった。

総じて快適なファーストシートだが、気になる点もある。まず、座席間の荷物置き場に座席番号が振られていないので、どこに荷物を置くのか戸惑う。昼間の座席状態はリクライニングしないので、備え付けのクッションをどう活用するかが、快適性を保つ鍵になりそうだ。昼間運用時には2人区画だが、クッションは2つ設置されるのだろうか。とくに、昼間運用時は定員が2人なので、寝台で横になれず、気になるところだ。

寝台時は眺望に優れるが、寝台の高さが高いので、出入りには注意した方がいいだろう。

快適でコスパのいいクシェット

1号車から2号車女性専用車に戻ると、月邸さんが女性客のMさんと仲良くなっていた。この号車は横になれる普通車指定席「クシェット」と、普通の特急列車のような2+2列リクライニングシートが備わる。

2号車「クシェット」(編集部撮影)

Mさんから「クシェットを体験しますか」と言われたので、ご厚意に甘える。枕木方向に2段寝台が並ぶが、下段は寝台の高さがとても低い。しかし、座り心地は悪くない。軽く横になると、クッションの利いた寝心地でファーストシートと遜色がない。寝台幅も70cmで同じである。行きの寝台特急サンライズ出雲にも、横になれる普通車指定席「ノビノビ座席」があるが、あちらは床面にクッションはなく、寝心地はクシェットが上回る。シーツとブランケットだけで枕はない(ノビノビ座席は毛布と枕カバーで枕はない)。

2+2列リクライニングシートはほぼ空席であった。2号車女性専用車は座席が互い違いに、男女共用の3号車は平行に配置されており、女性客のプライバシーに配慮している。空席に座ったが、一般的なグリーン車よりも広い座席間隔や、充分なリクライニング角度に感心する。個別コンセントやひじ掛けテーブルも備わる。ただ、レッグレストを備えた夜行バスのような「寝るための座席」ではないので、昼行運行時に輝く設備だと思える。

3号車「ファミリーキャビン」(編集部撮影)

3号車には個室風の「ファミリーキャビン」が2室備わる。横幅1.8m、奥行き2.2mの部屋であり、折り畳み式マットレスを座席代わりとする。広げれば寝台になる。3~4人で使うとゆったりと旅ができそうだ。

5号車は男女共用クシェット。カーテンが頭部部分のみなので、女性客が手持ちの布で寝台を隠しているのを見た。安価な普通車指定席ではあるが、夜行バスでも個別カーテンの時代であり、改善してもいいかもしれない。

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