「工事が止まらぬ」大阪駅、どこまで変貌するか 大阪駅の北側で進む「うめきた2期」の全貌

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ほかにも大阪駅界隈では変化が目白押しの状態だ。1つはうめきた地下駅と対のように関わる「大阪駅西地区開発」である。大阪駅の西隣で、阪神の牙城、西梅田エリアと相対する線路南側の大阪中央郵便局跡地に、日本郵便グループを中心とする共同開発で、オフィスはじめ、国際会議や展示会等のニーズに応えるホテル、劇場、商業施設等を組み込んだ地上39階、地下3階の複合ビルを建設する。商業施設内には4階分のアトリウムを配置し、その正面に旧局舎の一部壁面を移設・保存するという。

吹き抜けの開口部を持つ大阪駅ノースゲートビル入口。階段上が高架上に新設された橋上駅舎のコンコース階(撮影:久保田 敦)

一方、JR西日本は高架下に大阪駅新改札口やバスターミナル、商業施設を設け、うめきた地下駅からの地下通路をこの改札口と結ぶほか、大阪環状線ホームを延伸するなどして既存ホームとも直結させる。サウスゲートビルとは街路を跨ぐデッキでつなぐ。さらには線路北側に地上23階、地下1階の新駅ビルを建設、1~2階はコンコースや広場、その上に商業施設、さらに上層をオフィスとする。

この新駅ビルの予定地には、大阪駅ノースゲートビルと駐車場を結ぶ連絡通路として、かつて北陸特急が発着した旧11番線ホームの一部が年初まで名残を留めていた。しかし、南側の旧大阪中央郵便局舎とともにすでにない。今後2023年のうめきた地下駅開業時に地下通路を供用開始、新改札口も暫定供用とし、うめきた2期がまちびらきを迎える2024年には本格供用となり、ついで駅ビルオープン。その後、2027年春まで順次、高架下商業ゾーンやバスターミナルを開業させるスケジュールが引かれている。

築80年の駅前地下道もリニューアル

このほか、近傍ではヨドバシカメラの裏に広がっていた広い駐車場が昨年秋に同店の増床部として埋まった。南側では阪神百貨店はビルを二分して建て替えを行っており、現在は2018年5月に竣工した東半分で営業し、西半分が工事中。また、大阪市は建設から80年が経過した地下道の東広場大規模改築・リニューアルと東西通路の拡幅整備を進めており、大阪シティバス(元市営バス)のロータリーが完成してようやく落ち着いたかに見えたサウスゲートビルの前が、またしても一面の工事中となっている。

こうした事業の多くは、インバウンドの急成長や2025年開催が決定した大阪万博を追い風に展開されてきた。そこに襲った新型コロナウイルスによる影響はまだ底知れないが、それぞれの計画は将来に向けて進められてゆく。梅田貨物線が新たな姿に生まれ変わり、2031年になにわ筋線が開業する近未来、さらには新大阪駅に北陸新幹線やリニア中央新幹線が乗り入れる時代には、新大阪駅や大阪駅はどのような姿になっているのだろう。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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