「工事が止まらぬ」大阪駅、どこまで変貌するか 大阪駅の北側で進む「うめきた2期」の全貌

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一連の工事が完成してグランドオープンしたのは2011年5月。北側のビルは「ノースゲートビルディング」、南側のアクティ大阪は「サウスゲートビルディング」とし、すべてをくるめて「大阪ステーションシティ」と命名された。その後、高速路線中心のバスターミナルの整備や、残された桜橋口のリニューアル等を経て現在の姿になっている。

大阪駅南側の駅ビルも大丸の増床により変貌(撮影:久保田 敦)

梅田貨物駅跡地は「うめきた」の愛称で再開発が行われている。大阪駅北側に占めた約24ヘクタールの広大な敷地のうち東側約7ヘクタールはかつて車扱貨物等の施設だったエリアで、先行開発区域とされて2013年4月に「グランフロント大阪」がオープンした。駅前のヨドバシカメラも巨艦店であり、北口は見違えるほど変貌した。

残る約17ヘクタールが、コンテナを扱っていた部分であり、移転先をめぐる長い協議を経て2011年に都市計画決定に至り、2013年3月に貨物駅の幕を閉じた。そして「うめきた2期区域」として整備が行われている。その開発についてはコンペ形式で開発案が募集され、三菱地所等のグループによる「『みどり』と『イノベーション』の融合拠点」を目標に掲げた「希望の杜」プロジェクトに決定、現在は開発事業者に引き渡される前段階の都市基盤整備事業がUR(都市再生機構)の手で行われている。

「はるか」ルートの貨物支線に地下新駅

その基盤整備の内容の1つに「JR東海道支線地下化・新駅設置事業」がある。うめきた地区の西の縁を梅田貨物線が通っているが、この地上路線を連続立体交差事業として地区の中央に移設、地下化する。そして「はるか」や「くろしお」において、大阪駅に隣接し東海道旅客線と交差しながら旅客駅はなかった不便を解消するため、最接近する位置に新駅を設けるものだ。2023年春の開業を予定する。

【2020年10月12日19時00分 追記】記事初出時、新駅の開業時期に誤りがありましたので、上記のように修正しました。

工事はJR西日本に託して行われ、事業計画では工事区間約2.4km、うちトンネル区間約1.7kmとされ、新駅は地下に2面4線を持つ。この駅がなにわ筋線の起点にもなる。

なにわ筋線は、JR難波および南海電鉄の新今宮と結ぶ大阪都心部の新たな南北軸。JRと南海が共同利用して南海電鉄も新大阪へ乗り入れる画期的な路線だ。現在、大阪環状線ホームに発着する関空快速と比べ、「はるか」利用で関空までの所要時間を20分縮める。

ほかに関空快速、南海の空港特急や急行等の運行が想定されている。特急や関空快速が抜けて生じる環状線の余裕は、新大阪とUSJ方面の直通といった新たな可能性も拓けてくる。新大阪起終点のおおさか東線もうめきた地下駅発着の予定である。

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