減配アコーディアに詰め寄った「物言う株主」 村上ファンドの元課長が決算説明会で異例の質問

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つまり、アセットライトとは、ビジネスの軸足をゴルフ場の「保有」から「運営」に移し、バランスシート上で肥大化したゴルフ場の資産(アセット)を身軽(ライト)にする施策をいう。

一方で、鎌田社長の強調する循環型ビジネスとは、今後もゴルフ場の新規取得を継続的に行いつつ、アコーディアが運営することで資産価値を向上させ、いずれファンドに対し取得価格よりも高く譲渡していくというビジネスの循環を指す。このビジネスモデルの中で計上されるゴルフ場売却益を、新規コース取得への再投資や、自己株買い付けなどの株主還元に回そうというのが、同社の中長期戦略だ。

レノグループが入居する東京都内のビル(撮影:梅谷秀司)

これだけ大きな戦略転換だけに、会社側は、6月下旬の株主総会で株主の承認を得られることを一連のアセットライト施策の前提にしている。

そうした中、レノは3月31日に関東財務局長に提出した変更報告書の中で、同グループ以外の一般株主のうち、議決権の過半数に当たる株主の賛同が得られることを条件として、アセットライト施策に賛同することを表明。8月上旬をメドとするアコーディアの自己株買い付けに応募することも言明している。

こうした事情から、レノは当然、会社提案に賛成すると見られていた。それだけに、配当性向の半減方針を決算説明会であえて質したことは、サプライズともいえた。

事業モデルの転換で大幅減益

投資会社である以上、レノがアコーディア株をいくら買い集めたとしても、「出口戦略」を探るのは当然だ。ただ、3月28日の会社提案発表以降、同社の株価は自己株公開買い付け予定価格1400円を下回る状況が続く。

会社側が配当性向を従来の90%から45%に半減させる方針を発表したことも理由の一つだろう。配当実額をみても、2013年度は1株当たり56円を配当するが、新方針に沿う2014年度は36円へと大幅減配を予定している。

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