米大統領選「郵便投票」の不正がほぼ不可能な訳

なりすましや二重投票などの懸念は小さい

投票用紙の体裁は州ごとに異なるだけでなく、郡や市町村によっても大きく異なる。大半の有権者は大統領だけでなく、地元自治体の選挙も同時に行うためだ。投票が適正な形式に合わない場合は、選挙管理当局からはじかれる。

ニューヨーク大学ブレナン司法センターによると、多くの選挙区は投票用封筒に、開票手続きを助けるバーコードを印字している。バーコードは、有権者が自分の投票した用紙が受理されたことを確認する際にも活用される。

二重投票?

トランプ氏は先週、激戦州ノースカロライナ州で支持者に対し、郵便投票した上で本選当日に投票所に出向いてもう1度投票するよう呼び掛け、物議を醸した。米国では同じ選挙で2回投票することは重罪になる。

複数の研究によると、他の選挙詐欺と同様、二重投票も極めてまれなようだ。

米選挙支援委員会(EAC)の集計によると、16年の大統領選では8247件の不在者投票が拒否された。有権者が投票所でも投票したためだ。ただ、この大部分は意図的に不正を試みたものではないとみられている。専門家によると、全米すべての州が二重投票の防止措置を取っている。

ノースカロライナ州は選挙の電子台帳で、誰が既に投票したかを追跡する。トランプ氏の発言を受けた同州の選挙管理当局者の声明によると、本選当日の午前6時半時点で、不在者投票が既に受け付けられた有権者は全員、選挙台帳から削除される。投票所での投票を試みても認められない。本選当日に到着した不在者投票は、二重投票がないことを確実にするため、投票時間終了まで集計されないという。

激戦州で特に重要とされるペンシルベニア、フロリダ両州も、同様な電子システムを導入済み。有権者が郵便投票を申請したかや、返信された郵便投票用紙が既に受理されたかを開票作業の担当者に教える仕組みだ。

フロリダ州レオン郡の選挙管理人、マーク・アーリー氏は「われわれは最新技術を使うことで、データベース更新のたびに6秒以内にそれを把握する」と語る。同氏の選挙管理事務所ではこれまで選挙のたびに「二重投票」を試みる事例が少数見られたが、これは普通、高齢の有権者が郵便投票したことを忘れてしまったケースだったという。

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