終電30分繰り上げ、「深夜の帰宅」どう変わるか 東京駅から各線の終電時刻を考察してみた

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首都圏の終電が30分繰り上げられたら、どんな影響がある?(写真:pretty world?PIXTA)

JR東日本は9月3日、2021年春から「東京駅から100キロ圏の各路線にて、30分程度の終電時刻切り上げ」を発表した。

終電繰り上げの理由だが、まず「新型コロナウイルスにより、深夜時間帯の利用が大幅に減少していること」が挙げられている。山手線の上野―御徒町駅間を例に取ると、終日の利用状況はコロナ前の38%減だが、0時台の6本は66%減と大きく減少したという。

JR東日本としては「新型コロナの感染が収束したとしても、テレワークやEコマース(電子商取引)などは、今後さらに広く社会に浸透することが想定されるため、お客様の働き方や行動様式は元に戻らない」として、今回の終電繰り上げを決めたという。

また、もう一つの理由としては「新規工事の増加」が過去10年間で約10%増加していることが挙げられる。これはホームドア設置やバリアフリーの充実といった、安全やサービス向上目的の工事が増えていることも理由である。工事量の増加にもかかわらず、人口減少により過去10年間で建設業従事者は約10%、JR東日本管内の線路保守作業員は約20%も減少している。今後も10年で10~20%も作業員減少が続くと見込まれる。

具体的内容は10月に公表

こうしたことから、現在3時間20分~3時間40分取られている「終電後の列車間合い」を、4時間~4時間半程度に増やすことで、大型機械の搬入などを容易にし、工期短縮と作業員の労力軽減を行うとしている。なお、始発電車の時刻についても、一部の路線では繰り下げされて遅くなるという。

JR東日本では、ダイヤ変更について「新型コロナの感染拡大防止のため、終電繰り上げが混雑による3密を招かないよう、必要により終電前の臨時電車増発を行う」としている。具体的な終電繰り上げの実施線区や、その内容は10月に発表するとのことである。

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