最悪の日韓関係打開へ両国指導者の決意が必要

新政権は早期に韓国と首脳会談を持つべきだ

――そのために、日韓は何をすべきでしょうか。日本では政府、世論ともに韓国に対するうんざり感、あるいは「相手にしても何も変わらない」という考えが蔓延しているように思えます。

西野純也(にしの・じゅんや)/慶應義塾大学法学部教授。1996年同大法学部卒、2003年同大大学院法学研究科博士課程単位取得退学。2005年韓国・延世大学大学院卒業。政治学博士。著書に『朝鮮半島の秩序再編』(編著)など多数(写真:本人提供)

新たな政権が発足しても、国政を安定的に運営するのは簡単ではない。総選挙がいつあってもおかしくないし、2021年秋には自民党の総裁選挙が再びある。外交面では今年11月にアメリカ大統領選挙もあり、これまで以上に日本の外交はアメリカ中心となるだろう。そのため、日韓関係の改善にすぐに取り組める状況ではない。

とはいえ、まずは日韓首脳同士の信頼関係を再構築することから始めるのが現実的だ。できれば年内に日韓首脳会談を開くことが望ましい。日本から発信できる関係改善のシグナルとしては、韓国への輸出管理問題で何か前向きな姿勢を示すことができるかが、1つの注目点になりそうだ。

――日本では「文在寅大統領や韓国大統領府は、そもそも日本に関心がない」と思われています。

いずれにせよ安倍政権は終わる。だからこそ、文政権はこの機会を関係改善につなげるように対日外交を活性化すべきだ。文大統領は8月15日の演説で「協議の門戸は大きく開かれている」と述べた。それなら、まずは文政権が日本の新政権に対して能動的で積極的な外交を行って、関係改善への強い意志を見せてほしい。

口先だけの外交は日韓ともにやめよ

――現在の状況で、日韓関係の改善で最も重要なことは何ですか。

第1には、関係改善のための政治指導者の決意とリーダーシップ、第2にその指導力を発揮するための国民とのコミュニケーションおよび国内における政治基盤固め、第3に日韓共通の戦略構築のために今後も努力することだ。

両国首脳は関係改善を口先だけで語るのではなく、能動的で柔軟性のある外交を実際の行動で示すべきだ。ここ数年、日韓ともに歴史問題では相手の変化を待っているような、受動的で硬直的な外交に終始してきた。柔軟に行動・対応するには、日韓関係の重要性を国民に説明して理解を得る必要があることは言うまでもない。

国内での支持がなければ、日韓関係の改善は難しい。例えば、短期的には新型コロナウイルス感染症の対策といった、比較的協力しやすい分野で双方の協力を積み重ねていくといった方法も考えられる。中長期的には、米中が戦略的な競争を繰り広げている中で、日韓が協力できるような戦略的対話を続けていくことも重要だ。

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